病院で得た小ネタ

病院通いの日々で得た小ネタ。

1) トマトは、犬には消化しにくい。
トマトは皮もゼリー部分の外側も消化しにくい。与えるならヘタと皮を取り除き、切って与えるべし。特にプチトマトは要注意。小型犬の腸にすっぽりはまってしまうことがある。

2) 細菌感染は、多くの場合、嘔吐よりも先に便に異常が出る

3) 嘔吐の症状が出ても、血液検査のCRP(炎症を示す数値)は、直ぐには変化しない。

症状が始まって24時間でCRPの数値が上昇することが多い。従って1回の検査では、症状が重篤化しているか、収まってきているかは、分からない。

4) カンヅメ食で大切なのはニオイ

食欲不振でカンヅメ食を与える場合、レンジで温めて与えると香りが立つ。

5) 嘔吐が続く犬の傍で、料理はしない
料理のニオイが胃酸の分泌を刺激して、嘔吐を引き起こす。かなり確率は高い。

老犬のかく乱 3

一件落着したと思った翌日早朝。サークルに敷いてあったトイレシートが吐しゃ物で汚れていた。残っていたのは大半が液体。前夜8時に食べたフードは、吐かなかったのか、もしくは、こちらが寝ている間に吐き戻した分を食べたのかは不明。まぁ、栄養が吸収できるのなら改善したということ。

人間用の食事を作り始めたら、いきなりリバース。今度は99%が水分。サークルの4分の1が浸水。片づけて「散歩」と声をかけても反応が鈍い。玄関先でUターンしようとする。

排泄は「屋外派」のルーシー。散歩に出たら、通常は、最初に小、次に大、歩く間にマーキングで小を数回というパターン。この日は最初から大(状態に問題ナシ)で、小をしようとせず「帰る」アピール。接種した水分を大半吐いてしまったからか。消化器サポートのドライフードを差し出しても食べようとしない。大をしたのでフードの栄養は取れているだろうが、水分を摂取できていないのに運動はさせられないので帰宅。

急ぎ水分補給をと、ホエイを水で溶いて与えたところ、ルーシーは、おそるおそるニオイを嗅ぎ、ようやく口を付けた。戻しては意味がないし、吐くことだって体力を使う。20ccを与えて大丈夫そうなので、一旦サークルで休ませた。

9時頃、ホエイ水20?+消化器サポートとアレルギー療法食のドライフード20gを与えたところ、ホエイ水からチョビチョビと飲み、フードも食べた。消化器サポートよりもアレルギー療法食の方が美味いらしい。

10時半に動物病院に電話。夜間に2回嘔吐したことを説明し、飲んだ水分が体内に吸収されていない可能性が高いことを説明・・・してる間に、ルーシーが再びリバース。

獣医さんは「吐き癖がついてしまったんでしょうね」。しばらく安静にして午後にもう一度少量の食事を与えて様子を見ること。そして午後の診療時間に来院するように指示を受けた。いずれにしろ血液検査で、炎症の数値を確認しなければならないと。

4時に病院へ。再び血液検査。CRP(炎症の数値)は0.05→4.4→0.15。今回は4.4を示した前日の朝がピークで、炎症が終息に向かっていることを示していた。

ALT(肝臓関連の数値)は242→165と下がり、依然、正常値域ではないが、「肝臓が原因なら1,000を超えることも多いから、肝臓とは考えていませんでした」とのこと。総コレステロールは、337→291と若干減少。食べたフードの量も、吸収できた栄養も減っているからだろう。


「とりあえず、点滴(400cc)と吐き気止めの注射をしましょう」昨日の時点でやっといてくれたら、ルーシーも体力を奪われずに済んだのに・・・という考えを先生に読まれたらしく「フードも水もできるだけ自分の力で取って欲しいから昨日はしませんでしたが、吐き癖がついてしまったようなので、これを一旦止めます」

「普段から消化器サポートとアレルギー対応の2種類のドライフードを食べさせてますが、食欲も減退しています。よしんば口にしても戻してしまいます。胃の粘膜が荒れて、吐く刺激になっているのかもしれません。」と言うと、獣医さんはカンヅメの療法食(退〇サポート)を出してくれた。

ルーシーは、あっという間にこれを完食。さっきまで食欲不振だったのに、おかわり要求。あまりの勢いだったので、こちらは「診察室で吐いたらどうしよう」とハラハラしたが、本犬は「今日からここの子になります」という態度。

「食欲はあるんだな。ヨシ、じゃあ大丈夫」と獣医さん。ルーシーの様子に驚く(あ)を見て大笑い。「これはプレミアムで、一番美味いらしいです」

「これを出されたら、よほどのことがない限り(犬は)食べますね。僕たちは、犬がどれだけしんどいかを見るのに使っているくらいです」

翌日は休診日なので、消化器サポートのカンヅメ(id)3日間分と「保険」で退〇サポート1缶をもらうことに。

これで嘔吐しなければ、栄養補給はOKだけど、問題は水分だ。水分は腸で吸収されるもの。腸壁も荒れているのか?小が出ない状態は問題ではないのか?

「水分を摂っているのに、というならともかく、水分を摂っていない状態で小が出ないことは、大きな問題ではないですね」最低1日1回出れば問題ないと言う。こちらはホエイ水で対処して様子を見ることに。

胆嚢の方も確認する必要があるので、2週間後に再々々検査は必要だが、とりあえず最大の危機は脱した模様。まだまだ油断はできないし、若い頃と違ってV字回復とはいかないだろうけど。気候の変動も大きいから、焦らずに少しずつ。

とりあえず、ご報告まで。ご心配いただき、ありがとうございました。

老犬のかく乱 2

ブログではご無沙汰してスイマセン💦。昨日老犬のかく乱。幸い、とりあえず元気を取り戻しつつあり、あらかじめお知らせしておきます。なお、今回の騒ぎを備忘録として記録しておこうと思います。

その日の午後3時。またもやリバース。今度は大量の水と少量の野菜。6時まで観察していたが、どうも元気がない。半分とはいえ、このままご飯を与えてもリバースしそうな感じだし、夜の間に急変する可能性もある。病院に電話し、事情を説明して再び指示を仰いだ。とりあえず、半分のご飯と水を、複数回に分けて少量ずつ与えて様子を見ることに。ダンナも15分ほどの排泄散歩をさせたけど、便や尿に異変は見られなかったとのこと。

翌朝のルーシーは午前2時頃ゴソゴソしたけれど、夜明けまで静かに寝ていた。以後は時折目を覚まして「散歩?・・・じゃないの?」と繰り返していた。少し元気を取り戻した模様でホッとした。

朝一番に病院へ。X線、血液検査とエコーで内臓の様子を確認。胃はすっかり萎み、今回は腸が全体的に少々膨らんで見えた。つまりオナラとして排出される段階になったようだ。

血液検査では、CRPが0.05から4.4へ上昇しけど、まだ正常値。肝臓の項目であるGPTが上昇。これらについては、2週間後に再々検査。

エコーで肝臓・胆嚢・膵臓周辺を確認。腫瘍などの病変は見られなかった。膵臓周辺は、膵炎になるとエコーで白く見えるらしいが、そのような様子はないという。ただし、これとて今後悪化しないとはいえないらしいけど。

https://youtu.be/kqkBA4TpW6M

一方、胆嚢には胆泥がうっすらと見えていたが、塊や石になっている様子は見られず。しかし胆嚢炎の可能性が、全くないとはいえないという。これも再検査。

なんだかな〜=3=3=3。

「犯人はお前だ!」と特定できず、その上、考えられる原因それぞれを完全に潰せないし、複合原因の可能性だってないとはいえない。再々検査も必要ということで、飼い主側のモヤモヤ感は否めない。でも、老犬とつきあうというのは、こういうことなのだろうなと思う。

我ながら、病院に駆け込むのが早すぎた気もする。炎症の数値CRPなんか、上がる前に検査してしまって、結局、二度手間、三度手間になった。

その一方で、何かが気になったら、不安がどんどん募り、悪いことばかり考える。どれだけ様子を見たら良いのかも分からない。昔、ルーシーがアレルギーになったことは自分の失敗だから、というのもある。

ゆったり構えて、状況を的確に判断するだけの知識も経験もない。病気は早期発見が大切というものの、未病の段階では先生も困るわなぁ。

自分の余裕のなさと、根拠も説得力もないダンナの楽観的な意見にイライラしただけ。
ホント困ったもんだ。

老犬のかく乱 1

ブログではご無沙汰してスイマセン💦。昨日老犬のかく乱。幸い、とりあえず元気を取り戻しつつあり、あらかじめお知らせしておきます。なお、今回の騒ぎを備忘録として記録しておこうと思います。

ダンナとルーシーが3日間のキャンプから帰宅した翌朝。(あ)が散歩に連れ出そうとしたら、ルーシーが動かない。通常なら午前2時頃からゴソゴソし始め、寝床のサークルで、わざとらしくノビをしたりして、散歩を催促するのだけど。こちらが家事をある程度済ませて「散歩に行こうか」とサークルのドアを開けても、ルーシーは伏せたまま。

(あ)がフードを取りに行ったら、ルーシーはようやく立ち上がったものの、どうも動きが鈍い。「キャンプで疲れたか」と45分で排泄と散歩を切り上げ、いったん帰宅。ようよう起きてきたダンナに、ルーシーの様子を説明すると、自分もそのまま散歩に行くと言う。

午前9時頃のこと。朝ご飯を終えてサークルで爆睡中、突然ヒク、ヒクッと言ったかと思うと、いきなり大量リバース。未消化のフードと茹で野菜。こちらが止める間もなく、ルーシーは慌てて吐き戻しを回収してしまった。「食欲はあるから大丈夫か」と考えた。

その1時間後、またリバース。今度はドロドロに溶けたフードと野菜。今度は(あ)がルーシーの体をガッチリ保定し、ダンナが吐しゃ物をチェック&回収。本犬は、まだ吐き戻しに未練があるらしく、ウーウー唸っていた。

ルーシーは、アレルギー症状が胃腸に出るけれど、この朝の便は正常。アレルギーが原因でも、よほどのことがない限り嘔吐することはなく、また嘔吐が続くことも少ない。ダンナにキャンプ中のことを聞いたが、食べたものはいつもどおりで、原因に心当たりがないという。

胃の内容物はあらかた出てしまったようなので、安静にしておくことも考えたが、どうも気になったので動物病院へ。X線と血液検査を受けた。X線では、胃は空っぽだが、ガスでまん丸に膨らんでいた。「さてはガツガツ食べ過ぎて、空気が入っちゃったか」と思ったが、食べ物が胃の中で発酵してできたガスらしい。ゲップくらいしろよ。

肝臓に腫瘍や病変は見られないが、(あ)には腸が一部狭くなっていて閉塞しているようにも見えた。先生に確認すると「その可能性はないとは言えないけれど、腸は絶えず動いているので、撮影のタイミングで、そう見えることはあります」。

原因は複数考えられた。
1) 過労による消化不良
2) 肝臓や胆嚢、膵臓の問題(最も怖いのが膵炎)
3) 腸などに異物が入り、閉塞している

続いて、血液検査。CRPは0.05(正常値は0〜1.0)で、炎症を起こすとしても、むしろこれからだと言う。一方、ALT(肝臓に関連する項目)と総コレステロールの数値が上昇し、グレイエリア。前回の健康診断で、肝臓の状態は投薬などの治療は不要だが、今後は要確認と言われていたので、季節柄、ある程度の悪化は仕方がないかと思った。

しかし、コレステロールは想定外。前回から40も上昇。
コレステロール値の上昇は、膵炎にも無関係ではないと言われ、頭のなかで警鐘が鳴った。膵臓X線でもエコーでも状態は確認できない上に、これに関連する血液検査は外注となるため結果が出るまで時間がかかり、手を打つ間にもどんどん悪化してしまう怖い病気だ。

という訳で、消化不良から膵炎まで、さまざまな原因が考えられるため、翌日再検査ということに。先生は初期の見立てとして「消化不良」と考えておられた。とりあえず胃腸の動きを活性化する注射を打ち、夜ご飯を半分にして同じ働きの経口薬を与えるようにと指示され帰宅。

<続く>

13歳に寄せて 3

今回の健診結果を総合すると、生命に係わるような大きな病気はないものの、すべて経過観察が必要な問題。獣医さんのハナシの端々に「老化だからしかたがない」というニュアンスを感じます。

幸いにも大きな病気にかかることなく、これまで過ごせたのだから、今後もできるだけ元気で過ごして欲しい。別れは遠くないだろうけど、ルーシーが苦痛を味わうことなく、自宅でゆっくり過ごし旅立って欲しい。

そのためには、可能な限り老化の加速を抑えて、新たな問題が発生しないようにしたい。そう考えるのは飼い主のエゴかもしれませんが、獣医さんが「自然な老化なので、これは放っておいて良いでしょう」と言われる度に、私とのスタンスに距離を感じることが多くなりました。

ボーダー飼いの先輩達によると、13歳はボーダーコリーの一生で大きな節目らしいです。ある方は「13歳を乗り切れたら15歳までいける」、またある方は「13歳で身体に大きな変化が出た」と。

先輩飼い主さん達に、こうしたアドバイスをいただけるのはありがたいことです。中には「ちょっとしたことで不安になるだろうけど、あんまり神経質にならないように」と飼い主の気持ちを気遣って下さった方も。ご自身が大きな悲しみを経験されたにも関わらず、ルーシーのためにご協力いただき、本当に感謝しています。

若い頃と違い、なんやかんやで動物病院には月に最低1回は通院。その度にルーシーの様子は診てもらっています。年一回の健康診断で詳しく診断してもらい、小さな変化を見逃さず、発見の都度、獣医さんに報告しアドバイスを受ける。掛かりつけで対処してもらえる部分は、すべて行う。

それ以上のことは・・・おそらくしないだろうと。ルーシー地方には大学病院はないため、大手術となれば長距離を通院しなければなりません。その時点で人間の介護がどうなっているかは分かりませんが、これらを両立させるのはとても無理だと考えています。

その代わり、できる限りルーシーと一緒に過ごそう。どんな状況でも、一日一回は一緒に笑うことを忘れずに。

そして、13歳を無事に乗り切るため1日1日を大切に。ゴールではなく、足元を見て歩いて行きたい

と思っています。

13歳に寄せて 2

1月後半に義母が軽い脳梗塞で、また2月半ばに実父が心不全で入院。ありがたいことに2人とも回復して退院したけれど、一時は「老老老介護」になるのではないかと恐怖しました。

「老老老介護」は(あ)が以前から一番危惧していた事態。義母と実の両親3人が介護年齢になり、ルーシーも犬生の最終ステージ。今回の騒動までは、それぞれの親は個別にゴールを迎えるものと思っていました。しかし同時多発もあり得るし、さらにルーシーのゴールも重なるかもしれないと。

ぼんやりと優先順位は考えてきて、自分ができることも、また時間も限られることは理解していました。それでも同時多発では誰かがゴールを迎えたときは、自分に後悔が残ることになるだろうと。

ルーシーの医療に関しても、ある程度考えなければならないと思いました。幸い大きな病気もなく13歳を迎えましたが、これから発病する可能性は十分あります。その時に、どこまで治療を受けさせるかを、あらかじめ自分の中で決めておきたいと。

その第一歩が健康診断。13歳になる前日。実は11月あたりを予定していたのですが、ルーシーはいきなり寒がりになり、腹毛を剃るのにしのびなく。それでも5月では気温次第で、毛が生えそろう前に蚊が出てくる可能性もあるので。

検査方法は、以前と同じ血液検査・レントゲン・腹部エコーが中心。ですが、前回から獣医さんには「気になるところ」を箇条書きにして、あらかじめお渡しするようにしました。

「気になるところ」とは、大きな問題ではないかもしれない、季節的かもしれない変化です。

1 腎臓・膵臓・肝臓・膀胱
腎臓については老化スピードを抑えるため投薬中。エコーで腎臓の大きさを確認してもらい、投薬の内容や量が適正かを判断。
→レントゲンで消化器、また腹部エコーで3つの臓器を確認。肝臓・膀胱に異常は見られない。腎臓は前回より萎縮しているけれど、投薬内容を変える必要はない。

こちらから依頼はしていなかったけれど、胆嚢も確認してもらえた。胆泥が若干溜まっているのを確認。投薬などの治療は特に必要ないレベル。

残念ながら膵臓は最も検査が難しい。レントゲンやエコーでも写らないことが多く、血液検査で判断するしかない。

2 眼(特に左目) 
9月頃にあったこと。季節的な問題かもしれないけれど、粘り気のある目やにが多かったので。

→涙には2種類あって、成分が水分と脂分。ルーシーの場合は水分がドライアイのギリギリ。季節的なものかもしれないので目薬を投与。

3 脂肪種の経過
全部で5か所ほどできていて、発見する度に細胞診で良性の診断をもらった上で現在経過観察中。

→特に変化なし。

4 シャックリと嘔吐
最近、食事の直後や、その後しばらくしてからシャックリ。そして時々嘔吐するように。
気温が急激に低下・上昇する日によく見られた。

→おそらく季節的なものと判断。

5 歯と口臭 
先日アクシデントで前歯を欠損。その他欠損している歯があるか、治療が必要かを確認。

→摩耗などは見られるけれど、歯髄が出て抜糸が必要なものは見られず。欠損箇所は経過観察。

最近になって口臭が強くなってきた。スケーリングが必要?

→歯石はあるにはあるけどスケーリングを要するほどではない。歯垢が増えているので歯磨き粉を変える。

6 陰部と肛門
以前もあったが、最近よく舐める。見た感じでは問題はなさそうだが、炎症を起こしていないかを確認。

→炎症は見られない。

ウ●チをお尻の毛に付けることがあり、こちらが尻尾を持ち上げて処理しようとすると非常に嫌がる。

→レントゲンで背骨〜尻尾周辺を確認。骨には痛みを起こすような異常が見られないが、肛門の直前に憩室ができ、ウ●チが滞留しているのが見られた。元より段階的にシニア用のフード替えているので、経過観察を続行。

<続く>