モヤモヤ〜セカンドオピニオン2

E病院には、これまでの血液検査の結果と尿サンプル、病歴や投薬内容等の情報を持参。当日血液検査をするかもしれないと、絶食で訪問。予約を入れたので、問診やエコー検査でも、想像していた以上に時間を割いて丁寧に対応してもらえた。

結果から言うと「組織検査の前にできる他の検査がある」。具体的には、甲状腺と副腎のホルモンに関する検査である。

E病院では、「これらの検査をすれば可能性のある原因を除外するだけだが、それでも飼い主が安心できるのではないか」と。→これらが原因でなかったら細胞レベルの癌など、さらに難しい病気になるから、決して安心はできないけど。

E病院ではエコー検査によるセカンドオピニオンを出す場合、腹部全体を診てくれるという。エコーは、メーカーや機種により、かなり見え方が違うらしい。これもセカンドオピニオンをとる理由のひとつとなった。

エコーは、まずは懸案の肝臓から。モヤモヤではなく白い小さな点が多数見られた。これは「高エコー源性」の肝臓と言うそうで、肝細胞の中に異常がある状態。細胞の中に糖や脂肪が沈着しているのではないかとのこと。肝酵素の上昇とエコー源性には関係があるかもしれない。

ステロイドの服用や体内でステロイドが過剰につくられることで起こるステロイド肝症の場合、また肝臓の代謝が落ちて胆汁の流れが悪くなると、高エコー源性の肝臓になることがある。ルーシーの場合は、ステロイドを服用していないし、ALPの数値が上がっていないので、これらの可能性は低いそうだ。

なお、肝臓の一部に4〜5mmの結節病変が見つかった。E病院の先生によれば、見たところでは明らかに腫瘍という訳ではなく良性の変化肝臓の細胞が死んで(代謝で)病変になる可能性もあるから、必ずしも悪性所見ではないそうだ。一か月単位で7〜8?と成長しない限りは問題なさそうとのこと。

さらにエコーはリンパ節と副腎へ。
リンパ節に異常は認められなかった。甲状腺機能が低下すると、代謝が落ち総コレステロールと肝酵素の両方が上昇することが多い。飼い主が気づける異変は、寒さに弱くなる、元気や食欲がなくなること。それ以外には心拍が弱くなることだが、尿の量などは変わらない。飼い主が認識できる変化は少ない。

「僕が診させてもらってるわんちゃんで、他では肝不全と診断された子が、実は甲状腺機能低下症だったというケースがありました。そうすると(原因が別なので肝不全の治療をしても)良くはならないですよね」
また、ボーダーコリーが肝炎を発症するケースは多く、その原因が自己免疫にあることも。

いずれにしろ早期発見・早期治療が肝要なのは間違いないようだ。

エコーで副腎のサイズは6mm(正常の場合は4〜5mm)と正常値域の上限と測定された。

ちなみに、掛かりつけでは、副腎については全く触れられていなかった。その旨を伝えると「副腎が病気になると肝酵素の値が上がり、多尿・肥満・抜け毛などの症状がでます。ALPの値が上昇しなかったから、(掛かりつけでは)特に診られなかったのでしょう」

副腎はかなり奥の方にあり、ルーシーにはかなり苦しい体勢をとらせた上で、肋骨の間から診てもらった。器械によっては映らないし、特に大型犬ではエコーで確認するのが難しいらしい。

副腎は病気になると肥大する。目に見える変化では多飲・多尿だそうだ。
これはルーシーには当てはまらない。むしろ走ることが少なくなったので、摂水量が減り、尿の色も濃くなってきている。
その一方で、サイズは異常の可能性を示しているし、副腎皮質ホルモンの異常分泌から肝酵素の数値が上昇することもあるという。

E病院の先生の最終的な見立てでは、どれも確実ではないが最も疑わしいのは甲状腺機能低下だそうだ。確かに肝臓には結節病変があるものの、この時点で見た感じでは良性の変化であり、総コレステロールやALTの数値を上げるとは考えにくい。その一方で肝臓の代謝が落ちていることは確かなので、結節病変と共に定期的に変化を確認する必要があるようだ。