食事は、昨夕から、リンゴの量を減らす代わりにオカラを追加することにした。
冬になって、水をあまり飲もうとしなくなり便秘気味になったため、リンゴを食べさせていたのだが、どうも大が緩くなってしまうし、体の成長も止まっているようだからだ。オカラはリンゴより若干カロリーは高めだけど、食物繊維も豊富だから便秘にも効くだろう。
 ところが、オカラは手づから食べさせる場合、予想以上にバラバラと落ちてしまう。ルーシーは、オカラを直ぐに自分の口に入れるのではなく、(あ)の手の中で食べようとするから厄介だ。床が汚れるので、ルーシーを待たせて、オカラをボール状に丸めてやることにした。先に用意しておけば良かったなぁ。
 食べ物を目の前にして、腹ぺこ状態で待たされたルーシーは、ウロウロと歩き回りながら、鼻から「ふふふふふ」という声を上げる。まるで「お腹が減って死にそうですぅぅぅ」「うらめしやぁぁ」というような声である。さっきまで、グウスカ寝ていたクセに。
 (あ)は急ぎオカラを手で丸めながら、「すぐあげるから、伏せ。待て。」とコマンドを出す。そして、ようやくオカラ・ボールが完成して振り向くと、伏せたルーシーの口から、ヨダレがタラ〜リ、タラ〜リと垂れて、床には水たまりができていた。なんだ、やっぱり床を掃除しなくちゃいけないんじゃん。
 目下のところ、ルーシーの頭の中で存在が確認されているのは、食欲中枢(断じて満腹中枢ではない)、運動中枢、多少の理性である。食事を前に「伏せ」をさせると、前足は静止しているが、後ろ足が地面を掻くような動きをすることがある。だから(あ)が思うに、ルーシーが持っている多少の理性は、前足の動きを制御することはできるが、後ろ足まで支配が及ばないことがあるようだ。どおりで、いつもおやつをくれるサンタちゃんのお母さんには、飛びつこうとする訳だ。
 残念ながら、ルーシーの理性は瞬時にして消えてしまうことが多い。落ち着いて出されたコマンドをよく聞けば良いのに、コマンドが出される前に「あれですか?これですか?」と、今まで覚えたあらゆる芸を披露する。(あ)が「違う」を連発すると、ルーシーは「なんでもいいから、くれぇぇぇ!」と飛びついてくる。大脳を活性化させる方法はないだろうか?