ボーダーコリーVSタヌキ

 昨日は、ディスクドッグの大会にピーターX君が参加するというので、ルーシーを連れて応援に行くことにした。こちらは参加なぞ考えられない腕なので(過去に乱入+小麦粉食い事件アリ)、応援以外は、他の飼い主さんやワンちゃんにもっぱら挨拶回り。ちょっとした名刺交換会みたいだった。
 ピーターX君は、やはり素晴らしい運動能力と運動神経の持ち主だ。万が一ディスクが場外に行ったとしても、確実に追いつけるスピード・ランナーである。ピーターX君の走る姿を見て、見ている人たちは(あ)の周囲で息を飲んでいた。子供達も「すご〜い!」と目を丸くしていた。そうでしょ?黒い弾丸みたいでしょ?フフン、これがピーちゃんなのよ(自分の犬でもないのに自慢)。
 ところが、なぜなのだ!?なぜ持ってきたディスクを離さないのだ!ディスクを離さないと投げられないじゃないか!
 せっかく他のワンちゃんよりも速く走って戻ってきても、そこでタイム・ロスしては意味がない。ピーター君の場合、1投目で長い距離のキャッチを成功させディスクをくわえて戻っても、他の参加者よりもスタートラインに戻るのは断然早いのだ。タイムレースでは圧倒的に有利なはずなのに、ディスクを離さないからタイムロスが大きい。もったいない!もったいなさ過ぎる!!ピーママさんが悔しがるのも当然だなぁ。競技後、ピーママさんは初めて出会う他の飼い主さんからアドバイスを受けていた。アイディアや情報の交換も、こういうイベントがあってこそかも。「お互い頑張りましょう」とエールを交換しているみたいだった。
 話は変わるが、ピーターX君のお母さんが「ロゼル君」「まーに君」はルーシーの異母兄らしいと教えて下さった。飼い主さんは出場者、スタッフの立場で、それぞれにお忙しいとは知りながら挨拶をさせていただいた。どちらもフレンドリーなワンちゃんだった。
 ロゼル君は、赤毛だし体はルーシーに比べ随分と大きく、外見ではあまり似たところがない。その上、非常に賢く優しいワンちゃんだった。水嫌いのルーシーに対して、ロゼル君は水遊びが大好きだとか。「本当にルーシーと血がつながってるのかしら?」と疑問に思った時、ロゼル君が飼い主さんの顔を見上げて「へへ〜」と笑った。あ、笑い方がルーシーとソックリ!やっぱり兄妹なんだわ。
 「まーに君」は超フレンドリー。とりあえずルーシーが女の子なので大丈夫だけど、男の子だったら近づけないとお母さん。大きな目がクリクリと動く。足が長い!格好良い!走る姿もダイナミックだった。娘の「うららちゃん」も、お姉ちゃんと一緒に出場。お姉ちゃんを子供とあなどるなかれ。ディスクを投げるのが非常に上手!競技の時間中、うららちゃんは、ずっとお姉ちゃんを真剣に見つめ、指示に従って動いていた。
 さてウチのタヌキは、いつも以上のタヌキぶりを発揮していた。いろいろなワンちゃんと飼い主さんに声をかけていただいたのだが、自分と遊ぶ気のなさそうなワンちゃんは完全無視。飼い主さんに甘えまくっていた。
 初めてお目にかかる飼い主さんに対して、(あ)は警告を兼ねて「ウチのは飛びつきチューをする癖があります。それをやられると大体の場合、顔に頭突きを食らうことになりますので」とか「ウチのはワルなんです。何をしよるか分かりません。気をつけてください。」と伝えることにしている。これらは真実なのだが、どうやらルーシーは(あ)が自分の悪口を言っていると理解しているらしく、時に吠えて抗議をすることがある。
 (あ)が警告を発すると、大体の飼い主さんは笑いながら、ルーシーの頭を撫で「そんな悪い子じゃないよね。賢いよねぇ」と可愛がって下さる。一方のルーシーは、頭を下げ首の辺りを撫でてもらい、それでも足りないときは体をすり寄せて甘えている。昨日は甘えている途中で、何を思ったか頭を挙げ、後ろに立っていた我々の方をチラリと見た。その表情は「フフン、良いでしょ?」とほくそ笑んでいる様子。ムカツク〜〜〜!このタヌキ!!