おせっかいだけど・・・

 去勢・避妊をしていないワンちゃんの散歩を、小学生以下の子供さんだけに任せるのは、いかがなものだろうか?リードを付けているから大丈夫、小型犬種だから大丈夫という問題なのだろうか?
 実は、この問題は以前から(あ)が頭を悩ませていた問題だ。ワンちゃんの飼い主さんたちには、それぞれポリシーがある人が多く、それぞれに常識としている範囲が違う。(あ)だって「ヘッポコ飼い主」で、他の飼い主さんに教えていただき、頼っているところは大きい。その上、親切にアドバイスをいただいても、なかなか実行できないという体たらくだ。だから他人様の批判をする立場にないことは、本人も重々承知している。それでも「これらのワンちゃんの、または彼らの飼い主さんの問題なんだから」と放っておいて良いのか、それすら分からなくなってきてしまった。
 ルーシーが毎日のように訪れる遊び場所には、ある小型犬種で同じ父母から生まれた兄妹ワンちゃん2匹が、飼い主さんの家族(小学生)に連れられてやって来る。ある時「♀のワンちゃんは発情期が近いんじゃないかな?」と、いち早くある飼い主さんが指摘した。これを受けて(あ)は性教育を受けているだろう学年の子供さんをつかまえて、そのことを説明し「手術するなら早くした方が良い。絶対、お父さんやお母さんに伝えてね」と伝えた。また他のワンちゃんを飼っておられて、親御さんに接点のある方は、直接そのことを伝えたそうだ。ところが残念なことに、どういう経緯があったのかは分からないが、実の兄妹2匹には子供ができてしまった。
 子犬には表面上は異常が見られず、引き取り手も見つかったそうだ。それでも、あくまで表面上の話しだし、性格の形成や知能の発達段階で、どのような問題が出てくるかは分からない。悲劇の種は、できるだけ取り除く方が良いし、そのことは、おそらく飼い主さんも今回の失敗で分かっただろう。今回は、たまたま処置が遅れただけだ。(あ)も周囲の飼い主さんも、子犬が母犬から離れたら、兄妹犬のどちらかを手術するものと思いこんでいた。
 ところが伝え聞いたところでは、この飼い主さんは自分の子供達に「大丈夫だから」と言っているらしい。最初に生まれた子犬が表面上、健康面で問題がなかったから、手術をせず、実の兄妹犬に今後も子供を産ませても大丈夫ということらしい。話を聞いた全員が、これには驚いてしまった。
 遊び場所には、彼ら兄妹犬以外にも、手術前の発情期を迎えたワンちゃんだって出入りする。そういうワンちゃん達は、大体の場合、大人に連れられているし、リードを着用させられている。興奮して相手の体に乗ろうとしても、♂同士喧嘩になっても、大人なら犬を引き離す力があるし、そのような事態が起こりそうな気配を察知して、先に手を打つこともできる。自分のワンちゃんは放りっぱなしでコンピュータゲームをしたり、他のワンちゃんにちょっかいを出したりしている子供に、このような事態を解決するノウハウがあるとは思えない。またワンちゃんの性について話したくても、初潮や第二次性徴を迎えていない子供さんに説明するのは難しい。小学生の子供に犬の散歩をさせるのなら、少なくとも親御さんが同行すべきなのではないだろうか?
 今回このような嫌なことを書くことになったのは、非常に残念な噂を耳にしたからだ。噂を広げるつもりはないから、その内容は書かない。しかし前述の経緯が発端となっていることは確かだ。兄妹犬を一緒に飼い続け、繁殖を考えておられるなら、それぞれの相手は別に求められた方が良いと思う。繁殖させる気がないのなら、早急に手術されることをお勧めしたい。