なんちゃってディスク・ドッグ2

 無謀以外の何物でもなかったけれど、思い出づくりってことで、ルーシーと(た)がディスク大会に参加。そもそもディスクやボールに全く興味がなかったルーシーが、一応ディスクを追いかけ、キャッチした。周囲のディスクな人達やディスクなワンちゃん達と違い、ろくに練習もせず、この日に臨んだ訳だから、これだけでも御の字ではないか?

 当初の(あ)の予想では、ルーシーは
 1)コート内にボー然と立ちつくして、タイムアップ
 2)コート内のニオイを嗅ぎ回って、タイムアップ
 3)(た)に何回うながされようとも、スタート前にコート内に入り、伏せたまま動かず「ディスクを投げろ」と要求して、タイムアップ。
 4)ディスクを無視して観客席に乱入。アンディ・ママさん、またはピーママさんをわざわざ探し回り、飛びつきチューを浴びせてタイムアップ。
 5)ディスクを一応追いかけるが、捕まえたところで「あ、よっこいしょ」と伏せて、ディスクをカミカミしてタイムアップ 
 6)他のワンちゃんのところへ行き、吠えられて逆ギレ。喧嘩で失格。

 とまぁ、予想ではこんなところで、中でも最も可能性が高いのは4番だった。そこで飼い主2人はゴソゴソと相談。
 (あ)「アイツは、絶対アンディ・ママかピーママのところへ行くよ。」
 (た)「1Rは反対側から投げるし、柵があるから、なんぼなんでもアンディ・ママのところへは行かんのとちゃうか?」
 (あ)「イヤイヤ、アイツは二人がどこにいるか知ってるもん。私がスタートライン側にいて、ルーシーに向こう側に脱走されたら、捕まえようがないで。私、向こう側の柵にいようか?」
 (た)「う〜ん、イヤ、やっぱりこっちにいて」
 競技前、ご本人に予想を打ち明けたら、アンディ・ママさんは「え〜、じゃ隠れていた方が良いかな」だって。スイマセンね〜、余計な気を遣わせてしまって。

 かくして、アホな相談ばかりしていて全くボンクラな飼い主2人は、公式ディスクで練習することもなく出番を迎えた。
 ルーシーにとって「ディスク」とは、噛みごたえのあるJA○Zであり、申込み後にJ○Aの白色ディスクで練習したところ「こんなんディスクとちゃう」と初めは全く興味を示さなかった。今でもJA○Zでないと気分が出ないらしく、追いかけようとしないことも多い。
 この日も出走を待っている間、(た)がルーシーにN○Aの青色ディスクを見せたところ、ソッポを向かれてしまったそうだ。慌てて(あ)がN○Aの白色ディスクを取りに帰る。せめて、少しは慣れたJ○Aの白色ディスクに似たものを使おうと考えたからだ。
 この時点でもボンクラ2人は「ディスクが違ったって、どうせ持ってこないんだし」とか「どうせ、競技にすら、ならんだろう」とかアキラメの境地だった。

 ところがルーシーは、ボンクラ2人の予想を見事に裏切った。
 1R。ゲート近くで順番を待っている間に、なぜかルーシーは急にやる気になったらしい。1投目、エッジアウト。なんとかディスクを拾って戻ってきた。そして急に脱走モードに入って、スタートライン後方の柵のところで立っていたボンクラ2、すなわち(あ)のところに「お母さ〜ん」とやって来た。その後、コートに戻ってジャンピング・キャッチはなかったが、2回もキャッチを成功。残念ながら、うち1回は慌てたボンクラ1(た)が痛恨のフットフォルト。3ポイント。
 2R。反対側から投げる。また脱走モードに入り、(あ)のところへ。なんでやねん!!慌てて追い返し、何回か投げるもエッジアウトして、ルーシーがボー然モードに入ったりと、結局バタバタしただけでタイムアップ。0ポイント。
 二回とも脱走先は、アンディ・ママでもピーママでもなく(あ)のところ。普段、呼び戻しをしても1回で来た試しがないのに、なんで呼ばれてもいないのに、こっちに来るかなぁ。
 昨日さくらちゃんのママに「どうだった?」と訊かれた。説明したら「さすがのルーシーも、初めての場所で不安になったんでしょ」だって。え〜、そうなのかなぁ?いつも遊んでいる公園なんだけどなぁ。まぁ、確かに沢山の人やワンちゃんが見守る中でフリスビーを追いかけることはないけれど。ウチのルーシーが、それほど繊細だとは思えないけどなぁ。
 本当のところは分からないが、ともかく無事に終わった。こんなボンクラ飼い主とアホアホ・ルーシーを温かく見守り迎えてくださったディスクな飼い主さん達。通りがかりのディスクの達人。わざわざ応援に来て下さったクーちゃんご一家、フラッシュ君&お兄ちゃん。どうも、ありがとうございました。