会社で働く犬

 今朝S田谷公園に行くと、チョコ色のドーベルマン(だと思う)ワンコに出会った。実は、これまでにも何回か姿を見かけていたのだが、近くで見るのは初めて。飼い主さんと話すのも初めてだった。
 S田谷公園は中心に野球場があり、その周囲をすり鉢状の緑地帯と陸上用のトラックが巡っている。ルーシーは、トラックとこの緑地帯をウロウロしながら歩く。トラックの外側には、さらに木々の生い茂った緑地帯がある。ドーベルマン君は飼い主さんと一緒に、いつも外側の緑地帯を駆け抜けていた。その姿を見るにつけ、ネボケ頭の(あ)は「さすがドーベルマン。運動の仕方が違うのね」と感心する一方で「毎日朝からこれじゃ、飼い主さんは大変だろうなぁ」と思っていた。
 今日も、プラプラ散歩を終えて家に戻ろうとした時、茂みの向こうに、ドーベルマン君と飼い主さんが現れた。ルーシーの姿を見るや、鼻を鳴らしながら、すごい勢いで近づこうとする。犬の背後で若いお兄さんが太いリードを両手で握り足を踏ん張っていた。2歳の男の子だそうで「体は大きいけれど、まだまだ子供で、近づく犬や人すべてが気になってしょうがない。元気すぎて困ってます」とのこと。
 コートが少ないので、筋肉の動きがはっきりと見える。全く贅肉がなくて、引き締まっている。これは運動させているワンちゃんの体だ。格好良い〜!すごく運動させておられるんですか?

「コイツは走らせたら、いつまでも走ってます。」フリスビーとか、ボール遊びとかは?
「全く興味がなくて、単に走るのが好きなんです」へぇ〜。
「この時期、海には人がいないから、連れて行くんですけど、浜辺で離したら全然戻ってきません。」
 よっぽど走るのが好きなのね。でも、つきあう飼い主さんが大変だなぁ。風邪で伏せることもできないね。
「コイツは会社の犬なんですよ」あ、どーりで。この前の飼い主さんと違うなぁって思ってたんですよ。
「防犯の為に飼ったんですけどね。みんな交代で散歩させているんで。ただ、すごく引っ張るから、一回で嫌になった人もいますけど。」力が強いのねぇ。
「そうなんです。コイツのおかげで全員やせました」・・・防犯だけじゃなくて、会社の福利厚生プログラムってこと(笑)?

 動物関連のテレビ番組で、地域ぐるみで猫を飼っているところが紹介されていた。(あ)は「これが犬だったら、どうなんだろう?」と考えていた。もちろん社会に対して、飼い主が責任を持って飼わなければならない。でも犬や猫の健康面は、どうなんだろう?
 猫は、生きる上で、リーダーが必ずしも必要ではないように思える。犬は、特定の人間をリーダーとすることで、精神的にも安定すると聞く。だから人間のリーダーのいる犬は、従順で優しい気質の持ち主が多い。
 近年、会社の看板だけでなく、精神的なサポートとして、犬が会社で働くことが多くなってきている。登録上は、社長の犬というケースが多いらしいけど。ストレスを抱えた社員が犬とふれ合うことで、いくらかでも心を鎮めることができるという。これは働く犬にとっては、どうなんだろう?ストレスが貯まらないのかなぁ?
 このワンちゃんを見る限り、とても幸せそうだ。ルーシーのように、飼い主が腰痛だからと、散歩を省略されることもなく、毎回思い切り走り回って、社員を健康にして感謝されている。会社で犬を飼うって、そう悪い事じゃないのかも。

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今日は天気が悪くなると聞き、昨日の午後は山の公園へ。ちょっとばかしフリスビーを投げたけど、持って来やしまへん。この間のは、やっぱりルーシーの気まぐれだったみたい(タメイキ)。