明日はどっちだ?!

 土曜日は教室。A先生に、とりあえず1週間練習した成果を見てもらう。
 この1週間は天気が良かったこともあって、恥ずかしながら公園で練習。時には踊っている最中にガキンチョの乱入アリ→インフルで学校閉鎖なのに、公園で友達と遊んでいて良いのか?時にはカップル2組の前で田植え踊り→写メを撮られたのは気のせい?ちょっと彼女〜、私らを背景にピースサインって、どういうこと?
 とりあえず音楽に合わせて踊ってみた。やはり1番の問題(先生の言う「鬼門」)はルーシーが苦手な遠隔クリープ。競技会の構成にも入っていたが、この時は見事に失敗した。今回はできるようにしたいと思っていたんだけど。
 この一週間で、クリープに入る直前に出す「フセ」のコマンドで聞こえないフリをするようになっていた。急遽、金曜日はフセのコマンドで直ぐに伏せるように強化。おかげでフセはするものの、今度はクリープのコマンドを無視。
 先生が「う〜ん、この部分が成功するかどうかは、ルーシーが伏せた時にIさん(私のこと)の方を見ているかどうかで決まりますね。」伏せた段階でやる気がないと、ルーシーはヘラヘラ笑い出したり、よそ見をしたり。特にルーシーとの距離が離れると、その傾向は強くなる。遠隔になればコントロールが弱くなる。ただし褒め褒めでやる気を必要以上に引き出すと、今度は立ち上がってしまう。ルーシーの集中レベルを正確に把握して、微妙なサジ加減で褒めないといけない。ルーティンを踊りきるので必死な(あ)に、そんな余裕があるはずもないが。
 先生に「他に問題点はありますか?」と言われたので「バック→ターンバック」をやってみる。ところが教室では思いがけず上手くできるではないか。実は屋外で同じ事をさせると、最初のバックで距離が出ない。バックを強化して距離を出させるようにすると、今度は180°のターンが270°や360°になったりして、なかなか(あ)の元に戻って来られない。しかたがないので(あ)がかなり動いてルーシーを迎えに行っていた。
 ルーシーは、後ろ足の脚力が左右でかなり違う。左が右より強いので、バックをさせるとグネ〜ッと左に曲がっていってしまう。本人は真っ直ぐに下がっているつもりなのだけど。これは股関節の問題だからしかたがない。そこで180°ターンをすると、本人は180°のつもりなのだが、全く違う角度になってしまう。ただ、教室や自宅では微妙に調整できるのに、なぜ屋外だと失敗するのか?
 先生曰く「空間認識の問題だと思います」。これを聞いて吹き出してしまった。だって、(あ)自身と同じなんだもん。たとえば、慣れない道を歩いた後ビルに入る。ビル内部をいろいろ歩き回って屋外に出る。その時に自分がどちらの方向から歩いてきたかを直ぐに認識できない。おまけに地図も読めないから何回迷子になったことか。妙なところが飼い主に似るもんだなぁ。
 自宅や教室では慣れているから、ルーシーはその場所のどこかに基準を置いていて、それを基準に真っ直ぐ下がって180°回転して、そのまま戻ってこられる。しかし屋外や慣れない場所だと、基準がないから空間が認識できず、真っ直ぐも180°も、全くの勘だけで動くことになってしまう。確かにルーシーはターンをする時に(あ)の方を全く見ていない。「ルーシーがIさんを基準に動いていれば、できるんでしょうけどね」
 そういや、O先生のマイル君は、先生がどの場所に居ようが、磁石に吸い寄せられるように先生の元に戻ってくるよなぁ。あれは先生を基準にしているからなんだなぁ。でもルーシーに基準点が自分だと言うことを、どうやって教えたら良いんだろう?A先生は「短い距離で180°ターンを教えて、少しずつ距離を伸ばすしかないでしょうね」あたしゃ、同じ方法でルーシーにバック→ターンバックを教えてきたつもりなんすけど(泣)。
 後で空間認識について考えていて、ふと「ルーシーも地図が読めないかもしれないなぁ。」と思った。
たとえば、車で公園などに行き、駐車場に車を置いて歩いて遊び場に行く。遊んだ後に駐車場に戻ると、ルーシーは我が家の車がどこにあるか分からない。というか、それ以前に駐車場への道が分からない。あさっての方向へ行こうとすることもしばしばだ。行き道でマーキングして(=自分で地図を描いているということ)遊び場に向かったのに、すっかり忘れてしまっている。「?」という表情のルーシーに「ルーシー、車どこ?」と訊くと、ヘラヘラと笑う。おそらく迷子になった時の(あ)もこんな顔をしてるんだろうな。
 方向音痴の(あ)と自分で描いた地図の読めない犬、ルーシー。二人の明日はどっちだ?!(爆)