だぁ・かぁ・らぁ

 ルーシーは雑である。ディスクでもしかり、ダンスでもしかり。どうも丁寧さに欠ける。「飼い主に似た」というご指摘はごもっとも。ただ、注目を浴びる機会は数少ない。アホなヤツでも、少しは良いところがあるなら、そこを最大限見せたいと思うのが親心ではないか。普段は何事にも雑な飼い主でも、本番を見据えて、練習からキッチリやろうと心に決めて苦労しているのだ。
 これに協力するのがパートナーじゃないか?えぇ、ルーシー?
 ↑ルーシーには決して理解できないであろう理屈(爆)。
 ディスクはまだ良い。ハジキや取り落としの場合、自分がディスクを落としたとハッキリ分かるし、周囲から「あ〜あ」という声が聞こえるから、失敗を自覚できる。問題はダンス。どんな動作にしろ、本犬は指示に従っているツモリでいるから始末が悪い。
 例えば1回転する技で、360度を回ってこそ動作が完了するとしよう。ルーシーの場合、300度あたりから動きやスピードがおかしくなる。あやふやで、グダグダで、なんともシマリのない動きになってしまう。
 途中までは従っていると言って良いだろう。ところが動作の最終段階に入るあたりで、どうも意識が、動作からご褒美へと飛んでしまうらしい。雑になってしまう。
 この『ツモリ』が、かなり曲者で困っている。最初のトライで「違う!」と指摘されると、スネてヤル気をなくす。いい加減なところで許してしまうと、300度が270度になりと、どんどん手を抜く。
 「ルーシー、ここまで」「ちゃんと」と声をかけて、最終段階を強化すると、今度は途中がグダグダになる。内心はムキィィとハンカチを噛んでいる状態。怒りを鎮め、相手の目を見て「ちゃんと、だよ」と言うと、あろうことかヤツは「やってるじゃん!」と文句を言う。
 ・・・逆ギレかよ(#・∀・)。
 目で訴えるならまだしも、面と向かってアウアウ文句を言うたぁ、どういう了見だ。
 ひどい時は、こちらが「だから、ちゃんと、だよ!」と重ねて言いきかせるのに、かぶるようにして「アゥアゥ」言いやがる。
 若干屈んで「だぁ、かぁ、らぁ」と言うと、
 同じくカブリ気味で「アゥ、アゥ、フゥウン」
 誰が、そんなタイミング良く上手いこと言えと。
 ムカムカ〜ヽ(`Д´)ノ=3。
 マズルに指を当てて「ルーシー、文句言わないの!」と言うと、恨めしげにこちらを見上げる。
 ふと視線を感じて顔を上げると、ウォーキング途中の方が足を止めて笑っておられた。
 恥ずかしい〜〜!!
 この文句癖。どうにかせんとイカンなぁ。
 それにしても、それぞれの動きを一から確認しないとイカンのか〜 _| ̄|○