春を探して 3

 昔の職場の後輩から連絡があり、娘さんが一浪することになったと言う。国公立の医学部を目指していたが、今回はダメだったらしい。今どきの子には珍しく、兄弟姉妹の面倒を見る優しくてマジメな子だから、夢の実現を願っていたが、今回は見送り。

 近々、大学受験の制度が変更されるとかで、今年の受験生は、志望大学のランクを落としてでも合格しようと安全策を採る傾向があり、特に医者になりたい訳じゃないけど「安定収入につながる資格がとれるから」という理由だけで医学部を受験するケースが多かったそうだ。娘さんは、高校からエスカレートで大学に上がることもできたけど、家庭への経済的な負担を考えて国公立一本に絞っていた。しかし、1点、2点のわずかな差が合否を分ける、例年にない熾烈な競争だったらしい。
 浪人になれば親の負担は増えるが、やはり医者になる夢は捨てられない。来年、もう一度チャレンジするという。
 他人の生命を預かる職業なのだ。それくらい根性と情熱がないと務まらん。なんぼペーパーテストの点数が良くて、よしんば医師試験に合格しても、生身の人間が扱えるか?良い医者になれるとは限らんよ。
 ・・・と母親を慰めてみたが「え〜、この際、薬学でも獣医学でも、なんでも良かったのにぃ〜」と言う。まぁ、この娘さんの後に何人も控えている訳だからなぁ。子供のいない身では、こういう時、上手い励まし方ができないことを痛感した。
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 だからっつー訳ではないのだが、今日の散歩は天神さん。隣接する公園は、幼稚園以下の子供連れが大勢押し寄せていた。

 桜とルーシーの写真を撮りたかったけど、混雑により断念。