Flock of a Feather

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 随分と回復したと言っても、いつものように取っ組み合いはできない。だから、散歩には気を遣う。公園に行ったり、知り合いのワンちゃんに会ったりすると、ルーシーは相手を誘ってしまう。抜糸はまだ先なのだ。リードを付けていても、相手から引き離せばストレスがたまる。だから、こそこそとワンちゃんがいない時間帯をねらって、いつもと違う場所へと散歩することになる。
 今日の夕方は、F田公園ではなく、S公園に向かう。この公園は、芝生の広場がない代わりに、野球のグラウンド、テニスコート、トラック等があるので、ワンちゃんよりも、人間の利用が多い。トラックの横には、ところどころにベンチが設置されていて、運動に疲れた人や工事のおじさんなどが休んでいる。
 3時半という早い時間だったからか、公園にいた人は、近所の高校生や主婦、高齢者が多い。高校生はクラブ活動中らしく、お揃いのユニフォームに身を包み、かけ声をかけながら脇目もふらずに疾走していた。スポーツではなく、健康のために来る人は、それぞれに体操をしたり、ウォーキングをしている。
 人とすれ違う度に、ルーシーは立ち止まり「撫でてくれるかしら?」と、相手をじっと見つめていた。ルーシーには可哀想だが、皆自分の目的があるので、声をかけてくれる人や、近づいてくるワンちゃんは少ない。落胆するルーシーに、(あ)は「ルーシー、見てごらん、きれいなモミジだね〜」などと声をかけ、機嫌を取って歩く。実は、犬には色の区別はできないらしいんだけど。
 そんなルーシーが、トラックの途中で急に座り込み、動かなくなった。視線の先には、ベンチに並ぶおじいさんたち。ユニフォームではないだろうに、一応にグレイの服を着て、杖をつき話をしておられる。ルーシーの姿が見えているのかいないのか、そこは不明だが、同じ方向を見て座り比較的大きな声で話している。その姿は、電線に止まる鳥のようだった。
 「アレは何やな、イカンな。」「そやな、アレはイカンわ。」「どうしてアレなんかな?」「さぁ、XXさんにも考えがあるんやろ。」「そやかて、アレはイカンやろ。」「そやな、アレはイカンわ。」(以下、同様の会話が続く)
 「みんな忙しいんだよ。行こう。」と声をかけ、ルーシーをその場から動かす。しかし、(あ)の顔はにまけていた。

U先生来訪
 そろそろ夕食にしようかと思っていたら、U先生が我が家をわざわざ訪ねてくださった。電話でルーシーが元気であることを伝えていたが、先生は直接顔を見に寄って下さったそうだ。それまでサークルで寝ていたルーシーは、先生の姿を見て大興奮。サークルの壁に掴まって立ち上がり、鼻を鳴らし、後ろ足で地団駄を踏むようにジタバタ。先生の顔を舐め、鼻を囓ろうとし、頭突きをくらわし、(あ)の手に前足を載せて「お母さん、先生が来てくれたよ〜!」と報告する。ウレションこそしなかったが、頭がおかしくなったかと思うほど興奮していた。
 U先生、可愛らしいプレゼントまでいただき、ありがとうございました。来週のクラスに参加できればと考えています。