日中U先生が来られ、久しぶりにF公園でプライベート・レッスンをしていただく。ルーシーが沼に対して関心を持ち出した事実と経緯を説明し、先生から呼び戻しを強化させる遊びを教えてもらう。
 先生曰く「小さい頃からchoose to heelを徹底的に教えておくと、遊んでいる間でも、飼い主の存在や居場所を気にするようになる」とのこと。生後7ヶ月半を迎えるルーシーにとっては、これを教えるのは遅すぎるかもしれないが、マムシだけでなく、沼の水からレプトスピラなどに感染する可能性もないとはいえない。やはり、ここは呼び戻しを徹底して教える必要がありそうだ。
 choose to heelというのは、「自発的に飼い主の後ろに付く」ということで、簡単に言えば、飼い主の後ろに付いたらフードを与え、褒めることを意味する。ルーシーの性格は、良く言えば「自立していて」、悪く言えば「飼い主を無視する」傾向がある。そして、すぐに飽きてしまう。このような性格だと、choose to heelを教えるのは難しい。
 ササミやチーズを使って、これまで呼び戻しを教えてきて、ある程度効果があった。しかし、他のワンちゃんとの取っ組み合いなど、遊びに夢中になっていると、ルーシーはこちらの声に反応さえしないため、「聞こえていないのではないか?」と思うことも多い。一昨日のオフ会でも、他のワンちゃんと追いかけっこを始めて、競技中のフィールドに乱入してしまったし。
 先生曰く「(ルーシーは)いつでもお母さんが自分の側にいてくれると思っているんじゃないですか?呼び戻しのコツは、相手が自分の方に来ても来なくても、自分は絶対に相手の方向に行かないことです」と言う。
 具体的なトレーニングとして「かくれんぼ」をすると良いと言う。ルーシーが引っ張りっこで使うボールを(あ)が手に持って振り回しながら、ルーシーの名を呼び、隠れる。隠れるまでは、ルーシーのリードを誰かに持ってもらうか、「待て」をさせる。隠れたら「おいで」のコマンドを出す。ルーシーが(あ)を見つけるまで、「おいで」を連呼する。(あ)の元まで走ってきたら、褒めてフードを与える。
 初めての遊びだったからか、ルーシーは「かくれんぼ」を楽しんでいたし、一生懸命に走って(あ)の元へやって来た。このような遊びを通じて、「飼い主を見つけること、飼い主の元に行くことが楽しい」と学ばせるそうだ。
 授業中は頑張っていたルーシーだが、レッスンの最後に、公園にやって来たトイ・プードルを追いかけ始めてしまった。先生の指示通り、(あ)は別の方向に走りながらルーシーの名前を呼び、コマンドを出し続けていた。しかし、ルーシー自身は、全く聞く耳を持たず、プードルを追いかけて階段を半分ほど駆け上る。その様子を見た先生は、ルーシーのリードを捕まえながら「獲物を追うルーシーの本能に火がついた」と仰った。そうなのだ、そして、そのような状態でもコマンドに従わせないといけない。U先生、状況を理解していただけましたか?
 (あ)が別の方向に走っても、この例だと、ルーシーの体やリードを捕まえないと意味がない。反対方向に走った分だけ、ルーシーを捕まえるのが遅くなる。ここの見極めも難しい。呼び戻しは、ルーシーだけでなく、(あ)自身も学ばねばならないことがありそうだ。