お犬様とその僕たち

 このところ雨続きで3日も走っていない。日中を家で過ごす間、ルーシーの目がうつろになってきたような気がする。今日は幸いにも晴れた。夕方だけでも走らせようと、いつもの公園に行ったところ、芝生の広場には砂が盛られていた上に、その砂が雨水をたっぷりと含んで、足を踏み入れるたびにジュクジュクした感触が伝わる。うーん、イヤな予感。
 そんな状態でも、他のワンちゃんや飼い主さんも集まっていた。やはり皆さん、自分のワンちゃんが可哀想になって連れてこられたのだろう。ルーシーのような乱暴者はいないけれど、それでも家に閉じこもっていたら、それなりにストレスがたまるようだ。
 ルーシーも、他のワンちゃんの姿を見て、ジタバタと足を動かして「走りたい」と訴える。しょうがないので、短時間だけでもとリードを離したところ、いつも以上に短い足を動かして走り回っていた。白かった足は砂で色が変わっている。Tシャツのお腹側はドロドロに汚れてしまった。顔にまで砂粒がついている。しかし、口が耳まで裂けるほど大笑いしていた。よほど嬉しかったのだろう。
 確実に体が汚れるのが分かっていながら、犬のストレス解消につきあうか?これを考えるとき、普通の飼い主さんの頭によぎるのは、シャンプーやドライヤーなどの帰宅後の作業だろう。しかしルーシーの場合は、それ以外にもある。
 ストレスを発散させなかった場合、どうも排泄がおかしくなる。特に冬は便秘気味になることが多い。もよおした素振りを見せて何度か構えてみるものの「やっぱ違うわ」と立ち上がってしまうのだ。この現象は、いつものコース以外を散歩させた場合にも起こるから、必ずしも運動量だけの問題ではなさそうだが、一回リズムが狂うと夜中にもよおしたりすることもある。そして通常のリズムに戻すのが、なかなか難しい。
 この公園に足を向けてしまったということは、その時点で、ある程度ルーシーの体が汚れる覚悟ができていたからかもしれない。来てしまった自分が悪いのだと、あきらめざるをえない。
 しかし飼い主さんの中には「今日の昼にお風呂に入れたばっかりなのに」と口では嘆きながら、自らボールを投げている方もおられた。みんな愛されているのねぇー。