横着者め!

 久しぶりに晴れたので、泥んこになることを覚悟で、日が高いうちにF公園に向かう。それまで昼寝をしていたルーシーは、(あ)がいつもより早い時間に散歩の用意を始めたので、横になったまま首だけ、こちらに向けて「え?もう行くの?」と意外そうな顔をしていた。
 先日、他のボーダーちゃんがフリスビーをする姿を見ていたら、皆、一心不乱に追いかけていた。中には、持って帰ってきたフリスビーを投げてもらうのが待てないのか、ガウガウと声を上げて、飼い主さんに要求する子もいた。ちなみに、この会でルーシーも(た)と一緒に出場させていただいたが、スタートラインに使われていた小麦粉をバクバク食べて、獲得ポイントはゼロだった。
 普段、周囲に他のワンちゃんなどの誘惑がないという条件が満たされていた場合であっても、ルーシーがフリスビーを投げ手の手元まで持ってくることは少ない。ひどい時は、自分の足下に置いて、こちらの顔を見て「取りに来てよ」とニカニカ笑っている。
 以前は、(あ)がルーシーとフリスビーで遊ぶ場合でも、ルーシーはエサをもらいに手元までフリスビーを持ってきていた。またU先生の指示どおり、時折フリスビーを引っ張り合って、ルーシーには「投げた人のところにフリスビーを持ってこないと、ひっぱりっこができない。だから、フリスビーは投げる人のところまで戻す」ことを教えてきた。
 ところが、最近、全く持ってこないのだ。ルーシーがフリスビーをくわえて、こちらの方向に走り始めたら、(あ)は他人が見たら「アホか」と思うほど、盛大に褒めちぎっている。ルーシーがフリスビーを持ってくる間に集中力が切れそうな時は、エサの入ったポーチを開けて見せる。こちらが手放しで喜んだらいけないのかと、背中を向けて反対の方向に歩いてみるが、ルーシーは少しこちらに寄ってきただけだ。ようやく手元まで持ってきたと思ったら、なぜか3歩〜5歩の距離を置いて、フリスビーを地面に落としてUターン。そして、極めつけは(あ)の前を素通りして、わざわざ離れたところにフリスビーを落とす。
 はじめは「フリスビーを持った自分を追いかけて欲しい」という意思表示かとも思った。しかし、ルーシーが自分の足下にフリスビーを置いて伏せている時に、(あ)が近寄ると、自分は次に投げてもらうことを考えて、少し離れた場所に移動し、再び地面に伏せて待っている。どう考えても、体力の温存か横着こいているとしか思えない。
 ルーシー、もしかして「お母さんはダイエットが必要で、運動不足だから」と、気を遣ってくれているの?そんなお気遣いは無用です!頼むからフリスビーを持ってきて!