クウちゃんのお兄ちゃんたち

 祝日で天気もまずまずだったので、F公園は子供達の姿が多く、いつものように芝生の広場でルーシーを離してフリスビーをすることもできない。しかたがないので、人のいないスペースを探し歩き回っていたら、クウちゃんのお母さんが私たちを見つけてくれて、声をかけて下さった。
 温室近くの四阿で、コーギーのクウちゃんに遊んでもらう。芝生の広場よりも狭いけれど、二匹とも全速力で走り回り、ひっくり返りして楽しそうだ。クウちゃんは、形勢が不利になると、低木の根本に隠れて、ルーシーの攻撃をやり過ごす試合巧者でもある。
 普段、クウちゃんにはお母さんと二人の息子さんが付き添っておられる。この息子さん達が非常に可愛らしくて、(あ)は、たちまち大ファンになってしまった。上の息子さんは、どちらかというと、おっとりしている。しかし水が足りなくなったら、自分が汲んでこようと申し出てくれる気配り屋さんだ。下のお兄ちゃんは、元気いっぱい。ポケットに煮干しの入ったビニール袋を入れていたら、めざとい(鼻ざとい?)ルーシーに見つかって飛びつかれ、嬌声を上げていた。
 初めて会った時、上のお兄ちゃんに「ルーシー」と名前を教えたら、いつのまにか「スーシーくん」と何やら美味しそうな名前に変わっていた。下のお兄ちゃんは、ルーシーのオモチャ(青いコングにヒモがついたもの)を見せたら、「え、ウ○コにヒモが付いてる!」と大興奮。「青いウ○コや!腐ってんの?」と言われた。こんなに素直な息子さん二人とクウちゃんがいる家庭だ。さぞかし楽しいだろうなぁ。
 向こうからバーニーズのラビくんが近づいてくるのが見えたらしい。二人は力いっぱい大きな声で「ラビー!ラビー!こっち来て〜!」と叫んで呼んでいる。おそらく体重は彼らよりも重いラビくんが、のっそり登場すると、二人は駆け寄って撫でていた。ラビくんも嬉しそうに笑っている。彼らと犬との関係は非常に自然で、微笑ましい。
 下のお兄ちゃんに、手持ちのおやつを渡して、四阿に集まってきた他のワンちゃんにあげるよう頼んだら、「何これ?」と訊かれた。「おいものクッキーだよ」「これ、何でできてるの?」「おいもと小麦粉と...何かな?」「美味しいの?」「美味しいよ。おばちゃんが食べてたら、ルーシーが怒るもん。」「おばちゃん食べたの?」「うん」
 (あ)が目の前でクッキーを食べてみせると、下のお兄ちゃんは驚愕の眼差しで見つめた。「ホラ、人間が食べても大丈夫だよ」と一つ渡すと、さっそく試食。次の瞬間、目を見開いて「美味しい〜!!!」そして、お母さんの方を振り返って、「お母さん、このクッキー、美味しいよ!!!」と報告する。
 可愛い〜!!二人とも、このまま真っ直ぐ育ってね。おばちゃんは、応援しています!