植木鉢ゲーム

 しつけ教室で教わった植木鉢ゲームをやってみる。犬にとっては、頭を使うのも、体を動かすのと同じくらい疲れるらしいので、雨の日にはちょうど良いかと思ったのだ。(た)は何回か試したみたいなので、ルーシーもゲームのルールは理解していると思う。
 まず、植木鉢を3つ、フード少々、マット1枚を用意する。ルーシーに「マット」とコマンドを出して、マットの上に伏せをさせ、待たせる。犬の見ている前で、植木鉢をすべて床の上に伏せて置き、そのうち1つに穴からフードを入れる。そして「ちょっとゴソゴソするあるよ〜」と声をかけ、3つの植木鉢を入れ替える。本来は、植木鉢の下に紙などを敷いて、床にフードのニオイがつかないようにするらしいが、面倒くさいので我が家では使用していない。
 植木鉢を「ゴソゴソするある」した後、ルーシーに「おいで」「チェック」と声をかけ、植木鉢の穴からニオイを嗅がせる。相手が「これ」と植木鉢を選んだら、その場で伏せをさせる。その様子を確認して、こちらは「ホントにそれあるか〜。じゃ、ボチボチ開けてみるよ〜」と声をかけて、植木鉢を開ける。当たりならルーシーを盛大に褒めて、植木鉢の中にあるフードをご褒美として食べさせる。一方、ハズレならルーシーをマットに戻して、もう一度、チェックからやり直し。
 ゲームを始めた当初、ルーシーの正解率は非常に低かった。間違った植木鉢を適当に示してハズレだと分かると、すぐに隣の植木鉢を鼻先で押して「じゃ、こっち」と言ってきた。要するにグータラなのだ。こちらが「チェック」と声をかけても、ルーシーは3つの植木鉢すべてのニオイを嗅ごうとしなかったし、フードの入った植木鉢を注意深く見つめて、場所を移動されても、その植木鉢がどこに行ったかを記憶しようともしなかった。
 それでも、食欲に導かれて、少しずつルーシーの正解率は上がってきた。こちらがゲームの用意をしている間は、自分はマットで待たなければならないことも覚えた。しかし、依然ハズレの割合も高い。以前、しつけ教室で初めて他のワンちゃんと一緒に、このゲームを教わった時、仲間のラブちゃんは最初から次々に正解を出していたが、その横でルーシーは、次々に植木鉢をひっくり返してフードを探すという暴挙に出た。
 ま、その頃に比べたら、ルーシーも前進したと言えるのだけどね。植木鉢を見た途端にヨダレが出るようになったし(あ、これは前進とは言わないか)。ところが驚いたことに、ハズレると彼女なりにショックらしいのだ。「ハズレ〜」と言われマットに戻されると、ルーシーは恨めしそうな顔で、こちらを上目遣いで見るようになった。そして、さらにハズレが重なると、再度チェックをうながしても、植木鉢に近寄ろうとしない。あちゃらの方向を見て、「どうせくれないんでしょ?」とフテている。
 なんなんだー、この態度!このグータラぶり!ルーシー、真剣にゲームやらないと、ダメあるよ!