目下のところ一番の問題は、ルーシーのハーディング(獲物を追いかけ、自分の思いどおりに相手の動きをコントロールすること)本能である。
 ルーシーの場合、ハーディング本能に火がつくのは、もっぱら他のワンちゃんとの追いかけっこである。追いかけっこを始めたら、こちらが魅力的なおやつを見せて呼んでも、なかなか戻ってこない。本人には、こちらの声は聞こえているし、内面では葛藤しているようだけど、飼い主のコマンドに100パーセント従うところまでは至っていない。
 ネットの情報によると、ボーダーコリーが持つハーディングの本能は、DNAに組み込まれたものであるから、これを消すことはできないそうだ。DNAに組み込まれているとはいえ、200年の間に交配を重ねて、本来犬が持っていた、狼を殺す本能を弱めているのだという。犬は昔、狼の群れを囲い込み、自分の思い通りに動かし、殺していたそうだ。ボーダーは、相手を囲い込み一カ所に集める習性は残して、相手を殺す本能を弱めてきたとのこと。言うことを聞かない家畜には、目で威圧し(がんをつける)、相手の進行方向を遮って動きを妨げ、クルクルと周囲を回って脅しをかけ、吠えて、後ろ足を軽く噛み、そしてそれでも言うことを聞かないガンコな家畜には、飛びかかる。しかし大半の場合は、相手を殺すことはしない。(オーストラリア、ニュージーランドなどで野生化したボーダーは家畜を襲うらしい)
 ボーダーのハーディング本能に一度火がついたら、その他の外からの刺激は受け付けなくなるそうだ。脳内で化学反応でも起こっているのだろうか?特にボーダーにとって、小さな子供は「毛のない羊」にしか見えないらしい。子供は群れになって走り回り、嬌声を上げる。追いかけられると叫んで騒ぐ。子供に危害を与えた、心的トラウマを与えたというのも、ペットのボーダーが捨てられる三大原因の1つだそうだ。
 このHPによれば、他のシープドッグは、ハンドラーの手から家畜を離すことが得意だけれど、ボーダーはハンドラーの手に家畜を戻すことができるのが特徴だそうな。また、ハーディングの本能を他の活動に対する意欲に転化でき、フリスビーなどに打ち込ませることができるとか。
 ん?それって矛盾してない?だって本能に火がついたらコマンドを受け付けなくなるのに、どうしてハンドラーのコマンドに従って家畜が戻せる訳?それに、ルーシーは他のワンちゃんを見たら、フリスビーを放り出して追いかけていっちゃうんだけど、どうしろっつーの?
 まぁ、こういう情報には矛盾はつきものだが、(あ)も納得する表現があった。
 「ボーダーコリーは、小型原子炉並みにエネルギーを出力するので、これをコントロールしないと大変危険である。」 
 次回は「ネットの情報2ボーダーコリーの怖いはなし」をお伝えします。