手袋泥棒

 アメリカの飼いネコの話である。1才になるウィリーは、ご近所からガーデニング用の手袋を盗み、自宅に持ち帰るクセがある。元々野良だったこのネコが、手袋を盗むようになったのは今年の春で、飼い主曰く「みんなが庭に出て、ガーデニングに精を出し始めた頃」だそうだ。今までに、少なくとも24個の見知らぬ手袋が、飼い主宅の玄関ポーチに置かれたという。
 飼い主は当初「鳥の死骸を持ってくるよりマシか」と思っていたそうだが、手袋の数が増えるうちに放っておけなくなったようだ。かと言って返す先も分からないだろうから、庭の外に洗濯ヒモを渡して、ネコが盗んできた手袋を展示することにした。そこには貼り紙で「ウチのネコは手袋泥棒です。お宅の手袋があったら、お持ち帰り下さい」と書いてある。
 飼い主には、ウィリーがどこまで手袋を盗みに行っているかは分からないが、両手が揃った手袋を盗む場合には、最低二回は同じ被害者宅まで往復しているという。木曜日の朝には、9対と片方だけの手袋5つが洗濯ヒモにつり下げられた。
 ウィリーが手袋狩りをするのは、もっぱら週末の日中だ。ガーデニングをする人が多いからだ。また冬季の獲物は手袋ではなく、ランドリールームにある汚れた靴下をだとか。
 ウィリーの盗み癖が知られるようになると、近所の人々は自分の敷地にウィリーが入ってくると追い払うようになった。一方、ウィリーの家のお向かいの主人は、盗難被害に遭ったことはない。使用しているのが大きな重い革製手袋だから、くわえて引っ張って持ち帰るのが大変だからではないかという。
 ネコが何かを捕まえて、主人に見せに来るというのは、よく耳にする話だ。獲物は多くの場合、セミなどの虫や鳥だという。ネコは犬と同様に捕食動物だから、本能的に他の動物を捕まえたいことは理解できる。しかし犬なら地面に穴を掘ったり、犬小屋の奥にしまい込んだりして、自分でとった獲物を独占することが多いし、主人に見せるのは、獲物を見せびらかすためか、主人にほめてもらいたいからだ。なぜネコは自分が食べもしない獲物を捕まえて、人間に見せにくるのだろう?
 真実は分からないが、面白い説を聞いたことがある。ネコは人間と生活して、人間があまりに狩りがヘタなのを見て、自分がとった獲物を見せ「狩りは、こうやってするんだよ」と教えているのだという。そう考えると「ネコなりに人間のことを思いやっているのかな?」と、なんとなく愛おしく思える。

ウィリーの姿はこちら
http://news.yahoo.com/photo/060720/480/41389ac116e74b9691a90dbca52e615c;_ylt=AlSqqU_uoMB25tqy1EpuVv5H2ocA;_ylu=X3oDMTA3bGk2OHYzBHNlYwN0bXA-

久しぶりに晴れた。
晴れたら晴れたでお日さまの苦手なルーシー。ペットショップに里帰りして、大好きなスタッフのK君に甘えまくり。