フラッシュ君への伝言

 このところ日暮れが早くなってきた。バタバタしているうちに、もう夕方。慌ててF公園に行くと約1ヶ月ぶりにクーチャンと出会う。大興奮のルーシー。道の真ん中で、いきなり取っ組み合いを始めそうになった。
 仲良しワンコは久しぶりに会うと、興奮のあまりガウガウ言ってしまうものらしい。そして力関係を確認せずにはいられないようだ。一瞬(あ)はヒヤッとしたが、二人は、すぐに仲直りして走りだした。やっぱりクーチャンは遊び上手だ。
(あ)が「お兄ちゃん達が夏休みだから、クーチャンも一緒に旅行にでも行っているのかなぁと思っていたのよ」と言うと、お母さんは笑いながら、クーチャンは毎日冷房の効いた部屋にいたことを教えてくれた。実は気になった(あ)は、他の飼い主さんにクーチャンは元気かどうかと尋ねていたのだが、皆しばらくクーチャンを見ていないと言っていた。
 クーチャンは冷房に慣れてしまったため、家の外に出ると、すぐにバテてしまうようになったとか。しかし(あ)の記憶では、クーチャンは、朝昼夕方と3回も散歩に行く無尽蔵のスタミナの持ち主のはず。家の中に閉じこもっていて、ストレスはたまらなかったの?
 「ずっと閉じこもっていた訳じゃなくて、朝早〜くに散歩に行ってたから」と、お母さん。私も5時起きして公園に来ていたけど、全く会わなかったね。「だって夜中の2時とか3時とかだもん」だって。そりゃ、誰も会わないわけだ。日中は暑すぎて、お母さんの方も参ってしまったそうだ。しかし丑三つ時の散歩って怖くないの?
 今日は晴れて、また少し空が高くなった気がする。秋の風が吹いて気持ちが良い。蚊やマムシがいなければ最高なんだけど。
 クーチャンのお母さんが「そうそう。前に教えてもらったフラッシュ君に会いたいわ」と仰る。二匹を連れて、フラッシュ君を捜しに芝生の広場に移動した。クーチャンの家は芝生の広場の反対側だし、他に遊び相手もたくさんいるから、ここまであまり来ることがないだろう。
 黄昏が迫り、目当てのフラッシュ君には会えずじまい。クーチャンとフラッシュ君が走る姿を見たいと思っていた(あ)は、ちょっとがっかりした。そこへ、ピーちゃんとアンディ君の姿が見えた。クーチャンのお母さんが目を見開いて「ボーダーって一匹一匹、全然違うのね」
 (あ)がアンディ君、ピーちゃん、ルーシーの順に指さして「そう、『賢い』『スポーツ万能』『鈍くさい』と三種類揃ってるの」
と言うと、クーチャンのお母さんは「そんなこと言ってない」と言いながら大笑い。やっぱり、そう思ってるんじゃん。ちなみに、クーチャンのお母さんはアンディ君が男の子だと知らなかったそうだ。
 残念ながら今日はフラッシュ君に会えなかったけれど、クーチャンのお母さんが「会いたい」と言っていました。
 クーチャンは体は小さいけれど、触ると足は素晴らしく筋肉質。まるでマラソン野口みずき選手みたいだ。そういやフラッシュ君はマラソン選手ならラドクリフ選手みたい。ルーシーは・・・給水地点から離れられずリタイヤかも。
クーチャンとルーシー