恋の季節よ〜

 昨日の夕方、ルーシーとフラッシュ君と遊んでいると、そこへ偶然クーちゃんがやってきた。クーちゃんはコーギーの女の子。コーギーとしても、かなり小柄である。スピードもスタミナもある上に、走る以外でも相手に合わせた遊びができる素晴らしいワンちゃんだ。だからルーシーと一緒の場合は、遊びのメニューは取っ組み合いと追い駆けっこということになるが、体格差をモノともせず、二匹とも楽しそうに「すってんころりん」と転げ回って遊んでいる。
 以前クーちゃんの話をフラッシュ君のお母さんにしたところ「会いたいわ〜」と仰っていた。しかし同じ公園に出入りしていて、お互いに名前だけは知っていても、今まで会えなかったらしい。昨日は初めて、この三匹で遊ぶことになった。
 ルーシーとクーちゃんは、人間で言えば「長年の女友達」である。二匹とも避妊手術を終えているので、異性にはほぼ無関心と言って良いだろう。二匹はお互いの遊び方をよく知っていて、慣れているから気楽だ。人間の女性も、ある程度の年齢になると、旅行するなら長年の連れ合いより、気のおけない女友達の方が良いそうだ。ルーシーとクーちゃんにも、これが当てはまるのかどうかは別として、昨日は二匹で、まずいつもの「すってんころりん」をしていた。
 フラッシュ君はクーちゃんと走りたいのだが、なかなか♀二匹の間に割って入ることができない。クーちゃんは1匹でも2匹でも相手をしようと思えばできるはずだ。しかし、どうやらあまり異性には興味がないらしく、フラッシュ君がちょっかいを出すと「ヤダ」と歯を剥くマネをして、すぐにルーシーの方に戻ってしまう。それでも、フラッシュ君は二匹の後ろから「ちょっと、ちょっと、ちょっと。ボク、ここにいるんですけど」と時折控えめに訴えていた。そのうちアピールが妙な方向に発展してしまった。どうやらフラッシュ君はクーちゃんが好きになってしまったようなのである。



 ところが一夜明けたら、フラッシュ君はノンノちゃんに「好き好きビーム」を浴びせ、熱烈にアピールしていた。昨日クーちゃんには「ヤダ」と言われフラッシュ君の片想いだったが、ノンノちゃんは違う。フラッシュ君の熱烈アピールにまんざらではない様子。なんとなく良い雰囲気の二人。ところが飼い主さんによれば、残念ながらノンノちゃんは来月手術をする予定だとか。
 またもやフラッシュ君の恋は成就しなかった。公園から去っていくノンノちゃんを見つめながら、フラッシュ君はうなだれ、物思いにふけっているようだった。
 そこでルーシーが「遊ぼうよ」と誘ったら、フラッシュ君は初めて「ガウッ!(うるさい!)」と歯を剥いて怒って見せた。フラッシュ君のただならぬ様子に、ルーシーは驚き一瞬引いた。
 恋の季節が始まったようだ。フラッシュ君、落ち込まないで!

ジョニー君の一言「やっぱ♀より、おやつだよ。・・・ったり前じゃん。」