中国の犬たち2

 中国の狂犬病問題は依然続いているようだ。北京市では1300万人が100万匹の犬を飼っているが、そのうち半分が未登録である。中国全体では狂犬病の予防注射を接種した犬は、全体のわずか3%である。政府は1世帯あたり飼って良い犬の頭数は1匹に限るとし、またその犬は体高が14インチまでとしているらしい。14インチってテレビじゃないんだからさ。それにしても、狂犬病に体高が関係あるのか?
 これまでの間に、ネットなどで警察による取り締まりの様子が公開され、また飼い主の間の口コミで、木製や金属製の棒で叩かれる等、犬が非常に残酷な方法で殺されているという情報が広まった。多頭飼いをしている家庭では、一匹を残して市外のケンネルに残りを預けたり、友達や親戚などに譲ったりという対策をとっている。また中には、何回も引っ越しを繰り返している飼い主や、家からなるべく犬を出さないようにして、地下駐車場で散歩をさせる人もいるらしい。
 このような事態に、中国政府は「犬は人間の最良の友だから、それなりに扱う」と発表しているが、本当のところは分からない。なんせ中国政府だもんなー。そりゃ二枚舌ってこともあるだろうさ。それに「違反している世帯を通報したら25ドルの賞金が出る」なんという噂まで出てきたらしい。これじゃ新しい文革運動みたいなことになりかねない。
 いずれにしても、まずやるべきことが違うのでは?狂犬病の予防注射は値段が高いから、飼い主さん達が今まで接種していないというなら、政府は犬を捕まえる前に初回無料キャンペーンでもしたら良いんじゃないの?キャンペーンの後は、飼い主が自腹で接種させるよう義務づけるとか。中国の飼い主さんだって犬を家族と考えている人も多いようだから、政府がきちんと啓蒙すれば、それなりに対応するようになっていくのではないだろうか?一番大切なのは、飼い主に狂犬病の予防注射が絶対必要だということを認識させることだと思う。そうでなければ、中国都市部の気候風土から考えると狂犬病が広がりやすいから、第二、第三の狂犬病禍が発生することも充分考えられる。
 日本だってそうだ。昨今の気候変動で平均気温が上昇しているから、こちらも狂犬病が発生しやすい状況になっているという。狂犬病に罹った犬に噛まれたら、初期の段階なら注射で治せるらしいけど。ちなみに、この注射は、ごっつい痛くて高いらしいです。