懐中電灯

 雨続きだと運動ができないので、ルーシーには懐中電灯を使って遊んでやることにした。ルーシーを廊下に出して、懐中電灯の光を床や壁、天井に当てて追いかけさせるだけ。コイツはボール遊びに全く興味がないから(見せびらかすばかりで手元に持ってこない)、結局こういう単純な遊びしかできないのだ。
 この遊びを導入した当初は、ルーシーも廊下を全力で走ってガウガウ言っていた。光が床を走っている間は必死に追いかけるけれど、光が壁や天井に動くと、「あれェ?」と見上げているばかりだった。そして、また光が床の上に戻ってくると、ガウガウ言いながら走る。サークルの中に光が当たったり、自分の尻尾に光が留まっていると「気味悪い〜」と固まってしまい、それ以上はそちらの方向を見ようとしなかった。
 ところが、最近になって、ルーシーは手を抜くようになった。相手(光)の動きをじっと動かず、観察するようになった。天井を走る光を見ながら、先回りをしようとする。「私は見てませんよ」というフリをして、突然光に飛びかかる。また、一方の前足を床から上げたまま、静かに様子を窺う。光が動きそうもないと分かると、ソロソロと忍び足で近づく。そして飛びかかるマネをして、フェイントをかけてガウガウ言いながら走り回る。どうやら狩りの感覚で、遊んでいるようだ。先回りとフェイントは、クーちゃんに教えてもらったのかしら?
 という訳で、懐中電灯を使った遊びは、体を動かすという点では、あまり効果はなくなってきたようだ。その分、少しだけだけど頭を使うようになったということか。この遊びは結構気に入っているらしく、こちらが懐中電灯のスイッチを切ると「アレ?光はどこ行ったの?」と、廊下をキョロキョロしながら探していた。以前よりは頭は使っているようだけど、まだ(あ)の手の中にある機械から光が出ているとは理解できていないらしい。廊下にミラーボールを付けたらどうなるんだろう?怖がってクレートに逃げ込むだろうか?それともグルグル追いかけるだろうか?ムラムラと実験意欲がわいてきた。
 どうする?お父さん、ミラーボール購入する?(冗談ですから)