「フードのご褒美」脱却大作戦

 朝食後、本日2回目の散歩に行くことにした。特に理由はないのだが、晴れている間に運動させたかったから。案の定、公園には誰もいない。先日M先生が教えてくれたとおり、遊びをご褒美して訓練を少しやってみる。
 M先生は紐付きのボールを使っておられたが、(あ)は最初はフリスビーを使うことにした。フリスビーを見せた途端、ルーシーは芝生に伏せて投げてもらうのを待っていた。
 (あ)がフリスビーを片手で胸の前に持ち「ルーシー、ツイテ」と言うと、ルーシーは「?」と首を傾げた。そりゃ、そーだわなー。いつもなら直ぐにフリスビーを投げて、追いかけさせるもんねぇ。それでルーシーがフリスビーを持ってきたら、フードのご褒美もあげていたもんなぁ。
 再びツイテのコマンドを出しながら「やっぱ、ダメか」と思った次の瞬間、ルーシーはツイテをして見せた。ん?やる気なの?そのまま脚側で褒めながら歩く。「グーッ」と普段より3オクターブ高い声で褒め、体をワシワシと撫でて、次の瞬間にフリスビーを投げる。
 M先生のやり方だと、訓練の部分ではボールをポケットにしまっていた。指示に従い上手くできたら、はじめてボールをポケットから出して遊んでやる。ただし(あ)のフリスビーは大きすぎてポケットに入らない。仕方がないが、見せびらかしながら訓練をせざるを得ない。
 再び「ツイテ」と言うと、今度はルーシーは一旦ツイテの位置に付くが、(あ)が「グー」と褒めた瞬間、離れて芝生に伏せてしまう。「グー」の声を聞いたら「ハイ、上手くできたでしょ。さぁ、フリスビーを投げて」と要求するのだ。
 こちらが「ルーシー、まだよ」と言っても「だってツイテしたもん。」と知らん顔。そうか、アンタは「グー」をコマンドの解除と都合良く解釈してるのね。フムフム、それなら次は直ぐには褒めないからね。
 なだめすかしながら訓練とフリスビーを交互にやってみる。先生のアドバイスどおり、時々引っ張り合いで負けてやることも忘れない。驚いたことに、フードをあげなくても、フリスビーをご褒美にルーシーはコマンドに従うようになってきた。そこまでフリスビーが好きになってきたとは、私も知らなかったな〜。
 ただし脚側行進中に座らせて待たせ、手元に来させる時には、座った瞬間にフリスビーのことを思い出すらしく、伏せてしまう。コマンドをきちんと聞いていない。まだまだですな。それに訓練と遊びを犬の目にもはっきりと区別させるため、フリスビーにしろボールにしろ、ご褒美はいちいち見えないところに片づけた方が良いだろうと実感した。
 周囲に誰もいないことを良いことに、(あ)は大きな声を出し、手を振り回し、自分もガウガウ言いながらルーシーとフリスビーを引っ張り合った。意外と楽しいし、ストレス発散になることを発見。あくまで誰にも見られていないことが前提だけど。