ルーシーの法則

 一歳十ヶ月を迎え、またルーシーが変わりつつあるように思う。
 まず、マーキングをするようにNo.1を何回も小出しにしたり、しつこく地面のニオイを嗅ぐようになった。用を足す場所も、なぜか土手のような傾斜がある場所を好むようになり、それもなぜか傾斜の上の方へリードを引っ張ったり、わざわざ木の裏側に入り込もうとしたり。「アスファルト道路ど真ん中派」だったルーシーが、子犬時代と同じように白い十時マークに用を足すことは稀になった。
 今までどおり、人は大好きなのだが、ワンちゃんへの興味が減った。散歩中に見知らぬワンちゃんに出会っても、鼻面を合わせたりお尻のニオイを嗅いだりして挨拶を交わすことが少ない。特に体格が立派なワンちゃんには、自分から近づいていかない。それでも飼い主さんには、可愛がってもらいたいから、相手のワンちゃんとは目を合わさないようにして、鼻を鳴らしながら飼い主さんに近づこうとする。オイシイとこ取りをもくろんでいるらしい。
 毎日一緒に遊んでいるワンちゃんに対しても、微妙に態度が変わってきた。
 クーちゃんやフラッシュ君と遊んでいても、(あ)がバッグの中のフリスビーやボールを触ると、追い駆けっこや取っ組み合いを止めてしまう。今まで遊んでいた相手が「ルーシー、どうしたの?遊ぼうよ」と誘ってきても、本人は知らん顔で地面に伏せて、こちらが投げるのを待っている。大車輪をしてもらおうと思っているのかしら?
 フリスビーの途中で、こちらが他の飼い主さんと話をしていても、じっと伏せたままで待っている。昔は、ご褒美を使ってもすぐに飽きてしまったのに。今ではフリスビーやボールに執着があるのかといったら、そうでもなさそうだ。自分のフリスビーを他のワンちゃんが追いかけたら、自分は動かずに「あ、行くの?」とあきらめてしまう。他の飼い主さんが「ルーシー、行くよ」と声をかけて投げて下さっても、見送ってしまう。今朝はクーちゃんのお母さんが「ルーシー、大車輪しよう」と誘って下さったが、知らん顔だった。変なの。
 おそらくルーシーの中には、排泄にしろ遊びにしろ、何らかの法則ができつつあるのだろう。ただ、それが(あ)にはまだ見えてこない。大人になるって、こういうことなんだろうか?

クーちゃんとお母さんが大車輪に挑戦!