緑色の結界

 順番が後先になってしまったけれど、土曜日のシツケ教室について書く。なんだか集中力散漫でぼ〜〜っとしたルーシー。どうも車に乗ると、後部座席のケージの中で騒ぎまくり、そこでエネルギーを使い果たしてしまうらしい。できるだけ良いパーフォーマンスを先生に見てもらおうと思っているのだが、親の気持ちは子には伝わっていないらしい。なんせナチュラルなヤツだから(爆)。
 この日は、ダンスのプログラムの中にあるラージ・サークルの強化練習。A先生には初めコーンを使ったやり方、JUDYmamaさんにパピー・ペン(子犬用の折りたたみ柵)を使ったやり方を教えていただいたおかげで、ルーシーはラージ・サークルは「(あ)の周囲を離れて右回りに回ることネ」と理解したようだ。それでも青空ちゃんのお手本に比べて機敏さに欠け、全くラージにならない。テレテレと、飼い主の周囲をふらついているような印象。時折こちらが少し声を張り、足を踏み出してコマンドを出し、大きなジェスチャーで指示を出しても、あまり効果がない。ご褒美を早くもらいたい一心で、ルーシーが遠くに行ってくれないのだ。本来ラージ・サークルをするとき、会場いっぱいを大きく回らなければならない。会場のサイズはそれぞれ違うだろうが、狭いなら狭いなりに、そのスペースをいっぱいに使い、かつスピーディーに走らなければ。ルーシーには、そこが理解できていないのだ。
 A先生が「もう一度コーンでやってみましょう。少しずつコーンの位置を遠ざけてみましょう。」とアドバイス。コーンを置き、ルーシーを円の中心に待たせておいて、コーンのそばにおやつを置く。「ゴー」の合図で最初のコーンに走らせ、その後は次のコーンを見た瞬間に「グッド」「ライト」と声をかける。
 何回かやってみるが、壁際に置かれたコーンについては、ルーシーはコーンの外側を通るのに、反対側のコーンについては内側を走ってしまう。
 このシツケ教室はワンフロアの隅にあり、緑色のカーペットが敷かれている。売り場の方で物音がしたり、お客さんが教室の側を通ったりすると、ルーシーは「何?」と出て行こうとするのだが、その度に「ルーシー、行かないよ」と声をかけたり、呼び戻したりしていた。そうしているうちに、ルーシーは「カーペットの向こうに行ってはいけない」と理解したらしい。それは正しい。ただし壁と反対側のコーンは、カーペットの外に置いてあるから、ルーシーにとっては「結界の外」になってしまったようだ。むむむ。誤算。
 A先生が「壁際のコーンは大丈夫だから、Iさん(私のこと)は円の中心から動かないで。売り場側のコーンの時、Iさんはもっと足を踏み出して大きなジェスチャーをして指示を出して。ルーシーがコーンの外側を通ったら、走っているのを停めてでも褒めてやりましょう。」
 売り場側のコーンについては、なかなかルーシーは外側を通ろうとしない。それでも部分的にできることもある。褒めようと声をかけようとすると、次のコーンでは内側を走ってしまう。怒られると思うからなのだろう。何回か失敗と成功を繰り返し、できた時に(あ)が大きな声で「グー!」と褒めると、ルーシーは売り場側のコーンを通る時だけスピードアップするようになった。結界の外にいたくないからか、褒められて嬉しいからなのかは分からないけど。ま、スピードが上がることは良いことだよ。うんうん。
 ラージ・サークルを練習するには、もっとスペースがいるなぁ。庭でやるにも限界があるし。アジ練習場があるくらいだもん。ダンス練習場はないもんかねぇ。