金曜日はダメよ

 金曜日にバドちゃんやルーク君、クマ君やハナちゃんと長時間にわたり遊んだルーシー。帰宅後、一回沈没するも3時間後には「お散歩するの?」と訊いてきた。排泄を兼ねて一時間弱歩くだけの散歩をして、翌日のシツケ教室に備えた。
 ところがシツケ教室に行く日の朝は、先週遊んでやれなかったせいか(た)がルーシーにたっぷり運動させたらしい。本来なら金曜日か土曜に一回はダンスの復習をするはずだったのだが、疲れた様子だったので寝かせておいた。
 夕方教室に入るや、なぜかルーシーは一通り先生に甘えた後、隅っこへ行きペタンと腹這いになり、ヘラヘラ笑っている。普段なら、しつこいくらい先生に甘え教室のアチコチの臭いを嗅ぐのに。なんか変。
 一方、(あ)は今日こそ「フニクリ」を完成させようと思っていた。前回、先生に披露した際とは、振付の内容は変えずに順番を変えていたからだ。元々の振付では2回エイト(ハンドラーの足の間を8の字を描いて歩く)が入っていたが、2回目がどうしても先生にお尻を向ける格好になる。そこでアップ(ハンドラーの背後で後ろ足だけで立ち上がり、背中につかまって歩く)とセンター+センターバック(ハンドラーの足の間に入り、一緒に前後に歩く)を入れて、方向を調整した。音楽が鳴るとラージサークルが小さくなってしまうので、2回のラージサークルを1回にして時間を延ばす。
 この一週間は、ラージサークルを強化することとターンバックのターン位置をできるだけ遠い場所にすることが目標だった。ターンバックはまだまだ成果がない一方で、ラージサークルは改善したと思う。ラージサークルの前後の技はハンドラーの足元だから、どうしても次のことを考えてルーシーは、(あ)から離れようとしない。また、機敏な青空(そら)ちゃんと違ってルーシーは、初速が遅く徐々にスピードを上げるので、ラージサークルを入れる場合には振付にかなりの余裕が必要なのだと思う。ラージサークルという技を見せるのであれば、ハンドラーの距離もさることながら速く走る姿を見せなければ、単にウロウロ歩いているだけに見えてしまう。
 先生には「内容として見やすくなっています」と仰っていただいたし、(あ)は実際にルーシーとやってみて、ラージサークルにも余裕が出来てきたように思う。ただし、元々ルーシーはコマンドではなく、自分の記憶に従って動いている。振付が変わって当惑しているように見えた。明らかに動きが硬い。背後で「アゥ」と抗議の声も聞こえた。
 それでやる気がなくなったのかもしれないが、ダンスを途中で止めて隅っこへ。先生に「ルーシーは、大丈夫ですか?」と心配される。
 一旦休憩を入れるが、ルーシーは普段もらえないおやつにも釣られることがなく、腹這いになったままヘラヘラ笑うばかり。先生も「こんなルーシーは初めて見た」と大変驚かれていた。気分転換と排泄を兼ねて、とりあえず(た)に店外に連れて行ってもらう。これ以上の授業は無理と判断して(あ)だけが先生の指導を受けた。
 後で訊いたら、ルーシーは店から出たら直ぐに排泄したそうだ。そして以前通っていたシツケ教室の先生と偶然出会い、メチャメチャに甘えていたそうだ。なんだよ、サボリかよ!!
 今の教室はお店の一角なので、お客さんが通りかかり眺めていることが多い。後でふと思ったのだが、犬のシツケ教室なのに犬の姿が見えず、人間だけが動いているって珍妙な光景だったろう。
 それはともかく、金曜日に長時間遊ばせるのは避けた方が良さそうだ。また、ルーシーにサボリ癖がつかないように、休ませるなら、しっかり休ませないと。サボったら良いことがあるなどと、努々覚えさせないようにしよう。