3日間にわたりホームセンターでドッグダンス競技会が行われ、うち2日間に出場した。1日目に「これって完璧かも」と思った瞬間、次の振付を忘れてしまった(あ)。雪辱を誓って最終日に臨んだところが撃沈。すべて自分のミスである。
 最終日は雨で会場は屋内。出場順は出場組数18組(うちグループ2組)中16組。この日も会場では午前中にわんわん運動会が行われ、12時から競技会。狭い屋内は人と犬で溢れていて、アップはもとより、出番を待つこともできない。1日目の様子を見ると、ルーシーは非常に緊張し動きが遅かった。怖くて緊張していたようだ。そこで、ギリギリまで車で待機させ、出番の前に会場に入ることにした。
 出場順から出番は1時頃だろうと見当をつけて会場に出向いたら、先生とスタッフの方が慌てた様子で「ずっと探していたんですよ」。すでに順番は終わっていて、ルーシーともう一匹のワンちゃんの演技だけを残すのみ。人混みをかき分けてフロアに立つと、ツンとした消臭剤のニオイに包まれる。慌てているのに加えて、嫌な予感までしてきた。
 なんとかルーシーをツイテの位置に座らせる。こちらに集中させようとするも、どうも勝手が違う。ルーシーはしきりに観客を気にしていたし、音楽が始まり歩き始めたら(あ)の側を離れ、フロアのニオイを嗅ぎ始めた。イカン、集中できていない!!
 通常、ダンスの前にはジャンプとウィーブをして褒めてやることにしていた。ルーシーが好きな動作をさせ褒めてやることで、ダンスに対するやる気を出させ集中を高めていた。今回はそれすらもできなかった。とりあえず音楽が流れている間はフロアで踊っていなければならない。本来の振付では、4つ目のターンの後はバック→ターンバックだったところを、急遽ウィーブにすることにした。ところが、その後がいけない。拍数が合わないので、アドリブでつながなければならなくなった。
 もともとアドリブが効くほど応用力も余裕もないのだから、しかたがない。結局メタメタになり、最後は帳尻合わせのようになってしまった。最後のポーズの後で、ルーシーを抱きしめて「ゴメン」と謝る。「お母さんがルーシーちゃんを抱きしめている姿は感動的です」とアナウンス。「うるせーよ!」と八つ当たりしそうになる。こんなものを踊るために5ヶ月も練習してきたんだろうかと思うと、涙が出そうになった。
 今さら何を言っても言い訳にしかならない。よしんば練習で完璧に踊れたとしても、本番で発揮できなければ意味がないのだから。本番で普段通りにできるかどうかは、ハンドラーの力量にかかっている。ハンドラーが犬の様子を正確に把握し、先に手を打たなければならない。ニオイがキツイと思ったら、それを無視させるように促し、こちらに集中させなければならない。すべては私の力量不足、完全に私のコントロール・ミスだ。他の出場者の皆さんは、悪条件にめげず、素晴らしい演技をされていたのだから、尊敬してしまう。
 最後に、こんなヘボ・コンビを応援していただいた皆さん、本当にありがとうございました。不甲斐ない結果で申し訳ないですが、ダンスは細々と続けていこうと思っています。良い勉強をさせていただきました。