掃除機。

 我が家は異常に物持ちが良い。古参の掃除機は14年目を迎えた。これまで二回ほど修理に出したが、酷使したおかげで、とっくの昔に減価償却済みであり、今後故障した場合、メーカー側が部品をストックしているかどうかは疑問。いつ壊れても大丈夫なように、何年か前にS社製のサイクロン型を購入した。持ち運びと小回りを考えて軽量型。パワーは古参に負けるので、ゆっくりと掃除機をかけないとダメだ。それでもパワーヘッドのおかげで細かい塵が取れる。窓を閉めている冬でも、予想以上に家の中に砂が上がっているのを見て驚いた。それでも、二台を駆使してもルーシーの抜け毛はなかなか取れないようだ。
 ホットカーペットは(あ)にとって冬季の聖域で、ここから出てトイレに行くのも嫌なくらいだ。もはや結界になっていると言って良いだろう。日中はホットカーペットの上にいるので清潔に保ちたい。できるだけ暖かさを全身に吸収すべくゴロゴロしていると(するな!)目につくんだな。ルーシーのアンダーコート。「見なかったことにしよう」と思ったが、目に付き始めると非常に気になるものだ。
 ルーシーのトップコートは直毛で、掃除機でも簡単に取れるが、アンダーとなるとカーペットの毛足に絡むのでコ○コロが必要だ。ある日、聖域内をコ○コロして丁寧に浄めていたら愕然とした。カーテンにもアンダーコートがついているではないか!これはコ○コロは使えない。
 業を煮やした(あ)は(た)に頼んでD社の掃除機をついに購入した。機種はAnimal P○oではなくD○22。一見ムダにデカイ印象。(これはモーターのデカさらしいので、しょうがないらしい)そして非常に重い(4.8キロ)。ゴータマ・ヘッドみたいに気筒らしきものが並んでいて、外見はいかにも強そうだが、実際のパワーは250w(日本の製品では、もっと小型で550wとかもあるそうだ)。
 早速使ってみたところ、やっぱり非常に重い。これは高齢者の家庭や家具を多数置いている家には向いていない。狭いスペースでは小回りが利かない。そして、やたらとバリバリ言うし音がデカイ。スイッチ部分がブルブルと震える。収納場所に困る。
 で、問題の聖域は・・・アンダーコートがキレイに取れた!!ゴミを集めたカップの中には、ルーシーのアンダーコートがワシャワシャ入った上に、何やら茶色のフワフワの毛が多数。新型機は、ホットカーペットの毛まで取っちゃったようだ。ううう、私の聖域が〜!チビていってしまう〜!
 (た)に話すと「ホットカーペットの上掛けなんて、どんなんでも良いんじゃないの?前にバーゲンで買ったキルトのヤツを使えば?」・・・じゃあ、何のために大枚はたいて新しい掃除機を買ったんだ?
 ちなみに新型機をルーシーに紹介したところ、怖がって相手を見ようとしなかった。普段は掃除機をかけても、自分がサークルの中にいたらグースカ寝ているくせに、今朝は新型機のバリバリ音に飛び起きた。上目遣いで見つめた後、柵の向こう側からしきりに首を傾げていたが、そのうち昼寝に戻っていってしまった。お互い聖域は侵されたくないものなのだ。ルーシー、アンダーは落とさないでね。