マッサージとストレッチ5

背部筋肉の深部マッサージ(摩擦)
 背骨沿いの筋肉を中心に深部のマッサージを施す。この時、マッサージの対象は骨ではなく、あくまで筋肉だということを心がける。両手の手のひらを重ね合わせるようにして、片手の指の間にもう片一方の手の指を入れるようにする。手のひら全体でまんべんなく、かつ力を入れすぎないように背骨沿いの筋肉を押す。指先は小さな円を描くように動かす。最初は軽く、犬が慣れてリラックスしてきたら、少しずつ力を加える。指を皮膚の上を滑らせるのではなく、皮膚が筋肉の上を滑るように指を動かすのがポイント。さらに深い部分のマッサージをしたい場合には、もっと力が加わるように指の角度を変えると、マッサージの効果を上げることができる。ただし、犬がこれにどのような反応をするかを慎重に観察すること。不快そうな仕草を見せたら、力を緩めること。
 摩擦は、皮膚の下にある筋肉、腱および靱帯を動かすマッサージ法である。同じ場所ばかりをしつこくマッサージしたり、必要以上に刺激を与えないこと。炎症を引き起こしたり、痛みを与えたりする可能性がある。摩擦マッサージはゆっくりと。円を描く動き一つ一つに約一秒を目安に。その方が、落ち着きのない犬にとっては、よりリラックスできる。尻尾の付け根から頭部に向かって手を動かし続け、同じ動きを約2〜4分繰り返す。静かに手順に沿った方法で作業すること
 血液の流れが高まるのに加え、摩擦マッサージには鎮静効果がある。

 ルーシーに何回かこのマッサージを試したところ、腰のくびれ〜首の間は、目を閉じて気持ちよさそうな態度だった。特に暴れ回った後は、自分から横になって「揉んで〜」ということが多い。その一方で尻尾から腰のくびれの部分を触ると、神経質な反応をすることがある。これまでのところ、マッサージによって普段の落ち着きのなさが改善されることはないようだ。
 それでもマッサージをすると体が温かくなる。時折「脇の下(というのか?)」に手を入れてみると、暖かく感じる。血液の流れは格段に良くなるようだ。