精神年齢8ヶ月

 このところF公園に行っても、ルーシーはポツンと独りで居ることが多い。なかなかお友達に会えないからだ。ひとしきりフリスビーで遊んだら、キョロキョロと辺りを見回して「誰か来ないかなぁ」と眺めていることが多くなった。

 師走も後10日ばかりを残すだけになって、飼い主さん達も忙しく、お友達に会えない。いや、それより会えても遊ばない子が増えた。幼なじみのモーちゃんなんか、大人になっちゃって、久しぶりに会ってもガキのルーシーなど全く無視だったし。元よりルーシーと遊んでくれる子は中〜大型犬が多かったのだが、これらのお友達が一定の年齢に達して、取っ組み合いや追い駆けっこを卒業してしまった。一方、ルーシーは精神年齢の成長が8ヶ月あたりで止まってしまっている。2歳半を超えても、飼い主との遊びよりも他のワンちゃんと遊びたいらしい。
 また、走る子がどんどん少なくなってしまった。ルーシーの遊び方が少々乱暴なせいかもしれない。「アイツ、乱暴だから相手にしない方が良いよ」と、みんなに言われているのかも。ルーシーの行状を考えると、そう言われてもしかたがないか(タメイキ)。
 事実、昔、遊んでくれたワンちゃん達は、多くが足を痛めて、公園に来ても飼い主さん同士のお喋りの間、じっと座っている。皆、飼い主さんに従順な子ばかりなので、リードを引っ張ってまで、飼い主さんに怒られてまで遊びたいとは思わないようだ。ルーシーのように、走れないから、ストレスやフラストレーションが貯まって破壊行動に出るなどというのは、これらの賢いワンちゃんには考えられないのだろう。
 今日バーニーズのマロ君に出会う。マロ君もルーシー、じゃなくて(あ)のポーチを覚えていてくれたようだ。今年は気温が高い時期が長かったので、後半はバーニーズの姿を見ることも稀だった。そういやラビ君に最後に会った時、夏に入る直前で、陸橋の上で「もう暑くて動けましぇ〜ん」と伏せていたっけ。バーニーズは、夏になるとガクッと食欲が落ちて動かなくなるらしい。そして水ばかり飲んで、お腹を壊す子が多いそうだ。動かないし栄養が摂取できないから、筋肉が落ちる。筋肉が落ちると、動けなくなるの悪循環。秋になり気温が下がると食欲は挽回し、冬には北風に縮こまる飼い主を尻目に元気に動き回る。バーニーズは夏と冬の姿が極端に違う。

 マロ君も現在筋力アップに努めている。飼い主さんともども元気な笑顔を見せてくれた。ルーシーは、マロ君のお姉さんに鼻を鳴らして飛びついて甘えていた。やはりルーシーはアホアホのままだ。どうしたら精神的に成長するんだろう?