懲りない2人

 ルーシーは股関節形成不全なので、獣医さんには「フリスビーはダメ」と言われている。「地面に転がすんだったら良いですか?」とおそるおそる訊いてみると「ダメです。股関節に良いフリスビーなんか、ありません」とにべもない。こういう症状のあるワンコにとっては、フリスビーはボール遊びよりも股関節への負担も大きく、症状を悪化させる危険性も高いのだそうだ。ワンコは、どうしてもフリスビーをジャンプしてキャッチしたくなるらしい(飼い主も歓声を上げるので、ワンコはますます嬉しくなっちゃうらしい。)
 とはいえルーシーの場合、ボールには全く興味がなく、充分に運動をさせないと破壊行動に出る。関西人の言うところの「エエ性格しとるやないけ」というヤツなのだ。
 という訳で、夕方の散歩では30分ほど歩いてから近所の公園に行き、そこでフリスビーで少し遊んでやる。場所は緩やかな斜面だ。風の方向から考えると、斜面の上から下に向かって投げた方がフリスビーの飛距離は長い。ルーシーはガウガウ言いながら、フリスビーにジャンピング・キャッチ。そしてテケテケと走り、疲れたら帰り道の途中で「あ、よっこいしょ」と伏せてフリスビーをガジガジ。非常にマイペースである。(っつーか、やる気あるの?オマエ)
 こういうやり方でやってきて、今のところ変化はない。しかしルーシーも来年には3歳になる。顔に白髪も出始めた。こっちは急に弱気になり「緩やかとはいえ下り坂でジャンプさせるのはマズイかも」と考え始めた。低く投げたらと仰る方もおられるだろうが、こちらの腕に問題があって、なかなか思ったように投げられないのだ。
 で、今日から斜面の下から上に向かって投げることにした。獣医さんに言ったら「同じです!」と怒られそうだが。
 向かい風なので当然フリスビーの飛距離は出ない。それでも上り坂をダッシュする方が、まだ関節への負担は少ないだろう・・・。
 ・・・と思ったら、なぜか戻りが超速い。おまけにフリスビーをくわえたまま、ガウガウ言いながら手元まで来るし。何なんだ、オマエは〜!急にやる気を出しおって。
 これでは股関節への負担は減らないではないか。やっぱり股関節に良いフリスビーはないんだろうか。今度は平地でやってみよう。