できる範囲で頑張ろう

 土曜日の授業は、飼い主の都合により、いつもより1時間遅い時間。朝ご飯を減らしてハラペコ状態で臨む。そのせいか、いつもよりルーシーはやる気を見せた。
 この一週間、特にターンバックとリアバックを中心に練習してきた。ターンバックは、ルーシーがバックの時になかなか素早く下がろうとしないので、ダイナミックさに欠けていた。早く(あ)の元に戻って、ご褒美をもらいたいから、ルーシーは(あ)から、なかなか離れようとしない。その結果、どうしても技が、こぢんまりとしたものになってしまう。一方リアバックは、ルーシー自身が好きな技なのだが、ウィーブに比べて速すぎる。こちらは、ウィーブもリアバックも同じテンポで足を出さないといけないから、ルーシーに合わせてもらうほかにない。解決策として、一旦、ルーシーを前に誘導して、手に鼻面でタッチさせてから下がらせることにした。ただし、タッチを忘れて下がってしまうことも多い。
 音楽に合わせる練習では、前半部分から練習。やっぱり問題は、イントロのゴロンとロールの3連続。先週よりはスピードがアップしたが、それでもキレイに回れない。ゴロンとロールは回転方向が違うだけなのだが、ロールが断然ヘタクソ。特にゴロンの後に伏せの状態で一拍待たせ、それからロールをさせると、ゴロンの回転の勢いを利用できないので、ロールで起きあがるのに苦労する。不得意な技は本人も自覚しているせいか、二の足(四の足?)を踏むこともしばしばだ。なだめたり、スカしたりを繰り返し、今のところ頑張らせているが、技の出来は、本人のやる気次第。かなり不安定だ。
 「センター→伏せ・待て→ターンバック」は、単独では本人が得意とする技なのだが、3つを合わせると、どうも出来が中途半端だ。センターは、ルーシーが(あ)の足の間に体を入れて、一緒に前後に歩くという一見簡単そうな技だ。ただし、理想型はルーシーの体が(あ)の足から半分くらい出ている状態。ハンドシグナルを出さない場合、(あ)の手の位置よりもルーシーの頭が随分と前に来る。手にフードを持っていると、どうしてもルーシーは口元を(あ)の手に寄せるので、体が後ろに下がる。おまけにセンターから伏せに移る時、ルーシーは伏せではなくバウをして、次のターンバックに移る準備をしてしまう。
 この連続技だけではなく、音楽に合わせてやってみると、どうも一つ一つの技が中途半端になってしまう。「ちゃんと」を連呼して、一つ一つを正確に仕上げるべく練習してはいるけれど、本人は手を抜いている自覚はないのだ。注意される都度「アウ」と抗議の声を上げる。伏せの代わりにバウをしてしまうのも、前足は「伏せをしている」つもりなのだが、後ろ足は「早くターンバックして、ご褒美をもらいたい」から突っ立ったままになってしまう。前足と後ろ足と同じ脳みそにつながっていないのか?
 家の中では練習が難しいラージサークルをデモ。ターンバックと同じで、技が小さい。ラージサークルの後は(あ)の元に戻って、足元でグルグルだから、どうしても離れたくないらしい。ラージサークルの円を大きくすると、8拍X2の時間で最低大きな輪を1回、小さな輪を2回描くことになる。青空ちゃんのスピードならともかく、ルーシーでは遅すぎる。もっと広い場所で大きく、速く回れるように強化しないといけない。
 相変わらず悪いところばかり目につくが、先週の授業より一つだけ良いことがあった。ルーシーは1時間近く動き続けていた。(あ)が見る限り、ルーシーの集中力は40分が限界だ。いつもは1時間の授業の途中で休憩を入れるのだが、休憩後ルーシーは眠くなり、動きが鈍くなる。体を休めている間に、お腹の中でご褒美が消化され、ある程度満足してしまうのかも。一方この日は、約1時間フルに動き続けていた。集中力には確かに限界がある。それでも体を動かし続ける方が、ハングリーでいられるかもしれない。
 先生も「先週より、問題点がはっきりしてきました。これからは、その問題点を一つ一つを解決するように頑張りましょう」と仰った。できる範囲で頑張ろう。それでもダメなことは、自分やルーシーを責めるのではなく、単に自分たちには手が届かなかったのだと思うことにして。