明るい散歩計画2

 4回目の夏がやって来た。(あ)はルーシーの運動を考えると頭が痛い。1歳半までは良かった。他のワンちゃんと走り回ってさえいれば、本人はウホウホ。疲れるのはワンコだけ。こちらは、ルーシーがトラブルを起こさないかだけを見張っていて、あとはお喋りに興じていれば良かったのだ。
 年を重ねるうちに、一緒に駆けっこや取っ組み合いをするワンちゃんは、どんどん減っていった。また、獣医さんからは「これからは運動を制限しなくてはいけません。量より質です」「フリスビーはもっての外です」と、先生には珍しく、ギト目で釘を刺されてしまった。「一回の散歩につき速歩きで40分」を目安にしなさいとのこと。
 我ながら殊勝なことに、一回は実践してみたのだ。ところが、これではダメだと直ぐに結論が出た。ひとつは(あ)が耐えられなくなったからだ。朝は早朝に前倒しすればなんとかなるが、夕方は暑さでゲンナリ。ルーシーの筋力に効果があれば、それも耐えられるが、そうではなかった。ルーシーは歩きだけでは満足しなかったからだ。走る場合と歩きだけの場合と、疲れ方は全く違う。帰宅後、それまでは沈没したかのようにヘソ天で寝ていたのが、自分の足をガジガジと噛んでみたり、舐めてみたり。ストレスで足にハゲを作ってしまった。本能を全開するかどうかで、こんなにも違うのか。(あ)は頭を抱えてしまった。
 で、4回目の夏。ルーシーは、誰に似たのか、宵っ張りの朝寝坊になっていた。そこで、朝は早い時間に歩きだけ(1時間ほど)、夕方は、思い切り遊ぶ(1〜2時間)ことにした。夜、寝る時間が遅くなったので、朝の散歩が歩きだけでも、満足してヘソ天で寝てくれるようになったからだ。
 そうは言っても、早朝はルーシーも寝ぼけているので「散歩?そりゃ、行こうと言われりゃ、行かなくもないけどさ」と、全くやる気がない。グズグズしている犬を引っ張って歩く。早い時間帯に会えるワンちゃんは、遊び相手ではないから、出会う度にいちいち「誰?誰なの?」と、ヘッピリ腰で警戒モード。周囲のニオイをしつこく嗅ぎ回る。体内時計が起床時間になっていないからか、排泄にやたらと時間がかかる。長い距離を歩いていないのに、時間だけが過ぎていく気がする。
 夕方は暑いので、氷水を持参して土の上を走らせる。誰もいない場合には、自分のペースで走るから、逆に「運動させ過ぎる」ことはない訳だし。フリスビーやボールを追いかける回数は大幅に減ったが、それもしかたがないことだろう。
で、1,2週間に一回泳いで筋力をつける。これで筋力を維持できるだろうか?
 昔、出会ったボーちゃんは、ルーシーと同じ股関節形成不全で、飼い主さんは「股関節に問題があるからこそ、筋肉を鎧のように鍛えて、骨を保護しないといけない」と仰っていた。これには賛否両論あるだろうけれど、年をとってから筋力をつけるのは難しいことだけは確かだろう。
 とりあえず、この方式でやってみようと思う。間違いだったとしても、修正すれば良いことだしね。

朝、S田谷でカメさんに再会。なんと池から一番遠い隅っこにある小山の上で鎮座ましましておられました。