教えるということ。

 土曜日は久しぶりにいつもの教室。屋外の方が涼しいけれど、ある程度は暑さに慣れておかないと。それに、そろそろ曲を通して踊らないといけないので、スペースが必要だ。
 今回の曲は2分と今までで一番短いが、全般のテンポがルーシーのテンポよりも若干速い。曲を通じて踊ると、この若干の差でかなり苦しむ。
 ルーシーの呼吸も荒くなる。余裕がないから、褒めることはできても、ご褒美を与えるヒマがない。だから曲の途中で、ルーシーは「お母さんの言うとおり○○したんだから、ご褒美をちょうだいよ」と立ち止まってしまうことも多い。
 一番困るのは、ツナギの部分に余裕がないこと。次のトリックに移る前に、正しい位置にルーシーを移動させなければならないからだ。
 「上手い表現が見つからないんですが、どうもフランケンシュタインみたいなんですよ。」と言うと、先生はやはり「?」という表情。きちんとやろうとすると、音楽から遅れてしまうし、ひとつひとつの動作がつながらず、スムーズさに欠ける。手を抜くと(目配りを怠ると)ルーシーの動きが、おおざっぱになって決まらないから、見苦しい印象になる。流れすぎてもダメだけど、流れがないとルーシーらしくないんだよなぁ。
 ここからは、(あ)が一番頭を悩ませている課題に直面することになる。つまり「動機づけ」だ。
 ところで、この日は夏休み最後の週末ということもあり、ホームセンターへの来店客が多かったせいか、ギャラリーがおそろしく多かった。こちらはルーシーや先生ばかり見ていたので、気が付かなかったのだが、ふと顔を上げる度に、違う家族連れが遠巻きにこちらを見ていた。
 ある時は、ふと気が付くと、小さい子供がすぐ側で、口をポカンと開けたまま、瞬きをしないで、こちらを見つめていた。そうなると、ルーシーもギャラリーが気になるらしい。「何してるの?」と踊りながらチラ見する有様。よそ見をするヒマがあったら、ダンスに集中せんかい!!
 突如、A先生が「ハ〜イ!」とギャラリーに向かって片手を挙げた。視線の先には外国人が3名。お友達らしい。訊けば神戸市の中学校でALT("Assistant Language Teacher"英語指導助手)をしているそうだ。
 「いやいや、僕たちは"Action Language Teacher"だよ。アクションなしじゃ、生徒はこっちを見てくれないもの。」と、ジョーク混じりに指導の苦労を教えてくれた。彼らにとっても、一番の課題は「動機づけ」なのだそうだ。
 相手が中学生じゃ、トリーツで釣る訳にもイカンわなぁ。ワンコの方が、まだ容易い方なのだろうなぁ。