ペット博ダンス競技会〜出会った人々

 イベント終了後、ナッツ・ママが「楽しく踊るのが目標だったから、(それが達成できて)良かった」と仰った。うーん、そういや自分は楽しく踊るなんて考えたことがなかったなぁ。
 毎回緊張と焦りで妙な汗をかくのだが、今回は特に待機時間が長かったため、体調までおかしくなりそうだった。動悸までしてきた。フツーに歩いているつもりが、地面がフワフワ。これではイカンと、控え室の隅っこでシャドウ練習をしてみるも、リズムが取れないっつーか、なんちゅーか。そんなこんなで、発表会で楽しく踊れたタメシがない。
 控え室に閉じこもっていては、他のペアのダンスが見られないので、出入り口近くまで行ってみる。折しも、順番はグループダンス。こっちは一匹だけでもアップアップなのに、グループなんて夢のまた夢だ。「みんな凄いなぁ〜」と見ていると、何やらフシギな会話が耳に飛び込んできた。

 「なぁなぁ、どうする?」
 「私はこうするから、アンタもこうして」
 「最後はやっぱゲッツではける?」

 (あ)が立っていた場所は、入場通路の側。順番を待つグループダンスの参加者さんが、出場を待っていた。 

 話のトーンは、まるで女子学生のようなウキウキした感じ。出場を目前に控えて、なんという余裕!!結局、居並ぶ審査員に視線を送りながら「ゲッツ」ではけて、会場からも大拍手と歓声が上がった。
 次のクラスが始まって、自分の準備に控え室に戻る。すると、先程の飼い主さんが戻ってきた。どうやら早着替えをして、ソロにも出場される様子。素敵な衣装に身を包み、揃いの帽子まで用意されている。こちらが思わず「どうやったら緊張せずに踊れるんですか?」と訊くと、
 「そりゃ回数踊ってたらねぇ。」
 「だんだんと『私を見て!』『私だけを見て!!』ってなっていくのよ」
 う〜〜〜む、何回踊っても、私は同じように緊張するような気がするが。それでも、この方達の姿勢は素晴らしいと思う。自分が楽しまなくちゃ、見ている人も楽しんでもらえないかも。
 反省すると、今回の演技は目標の4割も達成できなかったと思う。しかし、いろんな人々とお話するチャンスがあったので、それは非常に良かったと思う。先生達も、裏方を務める一方、自分達が舞台に立たなければならないのに、声をかけて下さった。お友達も、こんなヘッポコ・コンビのために、わざわざ足を運び応援してくれたし。皆様の気持ちが本当にありがたかった。
 妙な動悸がするほど緊張して、競技会に対しては多少の恐怖感はあるけれど、もし今後参加することがあったら、感謝の気持ちを忘れずに踊りたい。そして・・・できれば楽しみたいと思う。
 応援して下さった皆様、本当にありがとうございました!!