食べ物の恨みは深い

 昨晩7時頃、S川急便の配達員さんがやって来た。ドッグフード等の宅配で、注文時には2時までの配達をお願いしていたのだが、何かの事情で遅れてしまったらしい。夕方の散歩の間に来られたらしく、不在の通知がポストに入っていた。帰宅後は直ぐに、翌日の2時頃に配達してもらうように先方に手配したのだが、担当の配達員さんまで伝わっていなかったようだ。
 一日に何回も配達していただくのも申し訳ないし、特にフードは急ぎという訳でもない。加えてア○ゾンの配達も予定しているからと、配達を翌日に指定したのだけれど。もしかしたらドッグフードは代引きにしていたので、代金回収を今日中にしなくちゃいけなかったのかも。
 たまたま配達員さんが再配達で来られた時、(あ)はルーシーに食事を与える直前だった。現物を出してはいなかったけれど、本人は「ようやくメシにありつける〜♪」と鼻を鳴らしていたところだった。
 普段、我が家に夜の来客はない。それなのに玄関チャイムが鳴った。(あ)はインターフォンで何やら喋った後、自分のご飯ではなく、慌てて財布を取り出した。思わぬ、お預けを食らったルーシーは、親の敵に出会ったかのように猛烈に吠え始めた。
 「ルーシー、ノー!!」と叱っても、ルーシーは怒りで燃えている。自分は家の中なので相手の姿は見えない。それでも「親の敵」が玄関先まで来る気配がする。ルーシーにしたら「あろうことか、ワタシの目と鼻の先でまで侵入しているじゃないか。ますます許せん!」と思ったのかもしれない。(あ)に叱られようが、なだめられようが、お構いなしで吠えまくった。
 ちなみに荷物の重量は約20キロ。玄関のドアまで運んでいただかないと、こちらが腰を痛めそうだった。そこからは引きずって家の中へ。たたきまでは動かせたが、これは荷ほどきをしないと運べない。
 「ルーシー、ワンワン言わないの!」と注意すると、ルーシーは、ようやく吠えるのを止めて、「だってぇぇぇ〜」と鼻を鳴らした。
 たたきで荷ほどきをして、フリスビーやドッグフードを見せた。「ホラ、見てごらん。全部ルーシーのものなんだよ。だからワンワン言わなくて良いでしょ?」と言うと、ルーシーは玄関の隅っこに伏せて、上目遣いでこちらを見ていた。
 散歩中、犬を飼っている家の前を通ることは多い。ルーシーは、玄関先や庭からワンワン吠えられるのが嫌だ。売られたケンカは買わずにおれないらしく、吠えられると吠え返す。(あ)ができることがあるとすれば、そういうワンちゃんをマークしておいて、あらかじめルーシーに「言わないよ」と注意しておき、通過時に吠えなかったら、褒めてご褒美を与えるくらいのものだ。そうしても、ガウガウ状態に陥ることもある。そんな時(あ)はルーシーを叱って、
 「オマエが悪い!あの子は自分のおうちを守ってるの。お仕事をしているの。ワンワン言うオマエが悪い!」と言っている。その論理から言えば、今回の場合には、ルーシーは我が家を守っていることになるし、吠えるのも悪いことではないことになる。ま、ルーシーが、どこまで理解しているかは疑問だけど。
 それにしても、間が悪かった。次回の配達で、ルーシーがどんな反応をするんだろう?不安である。