反省

 いろいろと考えることが多くて、まだ頭の中の整理がついていない。それでも、書いておかなくちゃいけないなと思う。
 先週の木曜日、夕方F公園でルーシーとディスクで遊んでいた。ルーシーには、リードを着用させていなかった。高齢の柴犬が、(あ)の背後10〜20メートルのところで、他のワンちゃんと立っていた。柴犬はリードにつながれており、ルーシーの位置からは30〜40メートルほど離れていた。
(あ)としては、柴犬がかなり離れた場所にいること、ルーシーと柴犬の間に自分がいるからと、状況を甘く見て、手を打たなかった。早い時間から遊んでいたので、ルーシーのディスクへの集中力が下がってきており、いつも以上に声をかけるだけだった。ディスクを持って来たので「グー!!」と声をかけ、手を出したところ、ルーシーはディスクを(あ)の側に放り出して、柴犬のところへ行ってしまった。
 柴犬は仲良しの他の大型犬と一緒にいた。ルーシーは、一旦、そのグループの周囲を回り、怖がった柴犬に向かって攻撃した。柴犬は、鼻の横から出血し、頬の毛がむしられた。
 実はルーシーが、この柴犬に攻撃的な態度をとったのは初めてではない。一回目は威嚇だけだったが、まだ理由は分かる。ルーシーがディスクで遊んでいるところに、突然柴犬が現れたからだ。ディスクを盗られると勘違いしたルーシーは、柴犬に威嚇して、あわやケンカになりかけた。普段から柴犬の方は、ルーシーに対して全く関心がなく、ただ大好きな公園に入ったことで興奮していただけだ。この時は実害がなかったから、飼い主さんも許してくれたが、二度目となれば、そうはいかない。幸い柴犬のケガは翌日には治っていたし、相手の飼い主さんが優しい方だったので、こちらが平謝りして、なんとか許してもらえた。しかし(あ)は内心パニックを起こしていた。
 これまでのルーシーは、売られたケンカを買うことはあっても、自分から他の犬に対してケンカを吹っかけることはなかった。ディスクを独占することもなかったし、気に入らない犬がいても、無視することができたのだ。一度ケンカした犬でも、(あ)から大目玉を食らって、2回目以降に会った時は、自分から逃げようとする。何も自分に危害を与えない犬、気に入らなくても自分から離れた場所にいる犬に対して、自分から理由もなく攻撃するなど考えられなかったからだ。
 今回の一件で、行動が予測不可能になってしまった。それ以前に全く変化の兆候がなかった訳ではないので、危惧していたけれど。(あ)は、遊ぶ前にベーシックの訓練をして、ディスクで遊んでいる間は、いつも以上に声をかけていた。今まで見逃してきた反抗的な態度も見逃さないようにした。ルーシーは、叱られる頻度が増えて、(あ)の顔色を窺うようになってしまった。それでもコントロールの強化は緩める訳にはいかない。家では「マテ」を強化して、動物病院では血液検査をして、生理的な変化がないかを確認していた。自分では、できる努力をしていたつもりだったから、この一件はかなりのショックだった。
 その後、冷静に考えてみると、これらの努力は「ルーシーが犬であること」「ルーシーがボーダーコリーであること」を度外視したものだったと反省している。
 ルーシーは厄介なヤツで、運動が減るとストレス行動を起こす。毎日3時間をかけてストレスをかけないようにしてきたが、腰痛を抱えた(あ)には、歩くのは2時間が限度で、1時間分をディスク遊びで消化させてきた。ディスク遊びの間リードを着用していなかったのには、いくつか理由があるが、一つはリードがルーシーの足に絡んで転けたことがあったからだ。それでも、こうなったら、運動のさせ方や出かける場所まで考え直さないといけない。
 いろんな飼い主さんに協力してもらったり、トレーナーのアドバイスを受けたり、一体自分は何をやってきたんだろう?こんな形で足元をすくわれて、呆然とするばかりだ。