反省その2

 (あ)がルーシーの行動や態度に疑問を持ち始めた頃(1月くらいから)、F公園に行くと、知り合いの飼い主さんに、しつこくおやつをねだるようになった。体重が減ってきたので食事量を増やした。そのうち、しきりに足を舐めるようになって、ストレス行動を見せるようになった。ストレス回避のため運動量を増やし、フードもさらに追加するようにした。それでも食べ物への執着は増すばかりだった。
 確信ではないけれど、権勢欲と食欲はつながっていたかもしれない。食欲が増えると、権勢欲がムクムクとふくれあがって、他のワンちゃんに対して、普段以上に強い態度に出るようになった。実際、食べ物を巡って、他のワンちゃんと険悪になることもあった。他の飼い主さんの前に座って、おやつをねだる。期待通りにもらえたら、相手の飼い主さんが、自分の要求を受け入れた、つまり自分よりも弱いことを認めたと勘違いしたかも。いずれにしろ、ますます公園は自分のワガママが通る場所になっていく。
 飼い主のコントロールを強化しようと、遊ぶ前には必ずベーシックの訓練やダンスの練習をするようにした。成功すれば、おやつを与えて、こちらの指示に従えば美味しい物がもらえることを先にインプットする。ディスクや他の犬との遊びで興奮しても、食欲に転化することができれば、呼びかけておやつを与えることで、ある程度満足する。
 また「行かない」「言わない」を強化した。大好きな人の姿が見えても、走り寄らせない。リードに繋がれて離れた場所にいても、吠えてアピールさせない。それでもガマンばかりはさせられないから、時々はリードに繋いで、ゆっくりと相手に近づくことを教える。ルーシーがリードを引っ張ったら、立ち止まって「ツイテ」の位置に座らせる。2回、3回と失敗が続いたら、少し後ろに下がってやり直し。どんな場合にでも、ルーシーが「自分は、飼い主のコントロール下にあるのだ」と理解してくれればと思った。
 これは、数あるガマン目標の中で、かなり難しい課題である。なぜなら、ルーシーの頭の中では、公園はすでに「自分の好き勝手が通る場所」になってしまっているからだ。「子犬の頃から自由にさせてきたから」と言われたら、返す言葉はない。長期戦を覚悟して、地道に頑張るしかないと覚悟を決めた。
 まずは、F公園から離れて自分のやり方を見直す。そこから始めようと思う。