マテは深い

 先日の教室で「マテ」の強化練習をして、意外な結果を見た。
 「マテ」の練習では、犬にフセなりオスワリなりさせて、飼い主がその場を立ち去り、犬から見えない場所に行き、犬の様子を観察して宜指示を与えながら、犬に一定の時間中、同じ場所で同じ姿勢をとらせる。ルーシーの教室はホームセンターなので、(あ)は熱帯魚の水槽やラックの後ろに隠れて、ルーシーの様子を観察する。観察中にルーシーが動きそうになったら声だけで注意や指示を与える。動いてしまったら、ルーシーのところへ戻って再び指示を与える。
 傍から見ると、かなり異様な光景だと思う。我ながら「何やってんだ、私」と思うことは多い。ただ先生曰く「マテの強化はコントロール強化につながる」とのこと。元より弱々コントロールの飼い主だから、こりゃ頑張らんとイカンわね(笑)。
 練習中は、先生がさまざまな誘惑を見せて、ルーシーを動かそうとする。一般的にはボールやフリスビーを投げたり、転がしてみたり、おやつを見せたりする。ルーシーの場合、ボールには反応しない。元より全く興味がないからだ。フリスビーは目で追うけれど、投げ手が飼い主でない場合には、あえて追いかけようとはしない。おやつでは散々自爆を経験したが、ラックの後ろから「リーブ!」「ダメよ!」と声を上げて牽制する。おかげで、マテ練習でおやつが出ると、ルーシーはこれを見ないように顔を背けるようになった(爆)。
 誘惑・・・なのかどうかは分からないが、コロコロをかけるというのもある。ワンちゃんによっては、コロコロや掃除機を目にするや、我を忘れてしまう子がいるらしい。ルーシーはコロコロがやや苦手だったと思う。自宅を掃除する時には、ルーシーをサークルに入れるので、掃除機やコロコロが自分のところに来ることはない。慣れないものはコワイ。だからマテ練習を始めた頃は、コロコロを見ないようにしていたが、だんだん知らん顔ができるようになった。
 ルーシーの場合、一番の誘惑は先生自身だ。先生に声をかけられるだけで、伏せたままで尻尾がユラユラし始める。先生も、それが分かっているから、ルーシーの側で「おいで」と優しい声をかける。「ルーシー、ダイスキ!」とコマンドを出して、わざと飛びつきチューをさせようとしたり。日常生活でよくある場面だから、これは特に頑張らなくちゃ。これ以上、ルーシーの飛びつきチュー(結果的に頭突きなる)の犠牲者を増やさないようにしないと。
 驚いたことに、ルーシーは先生の方を見ないようにして、最大の誘惑をガマンして見せた。やろうと思えば、ガマンできるんじゃん!正直、ちょっと感動した。
→その二日後に、ご近所の方に飛びつきチューをした(怒)。教室では良い子になろうとするけど、普段の生活と勝手に区別しやがるからムカつくわ〜。
 マテ練習が進むにつれ、気が付いたら、ルーシーは伏せた姿勢のままだが、少しずつ体の向きが変わっていた。先生から離れた方を見るようになっていた。ガマンするには見ないこと。浅知恵だけど、そこまで考えたのだろうか?
 最大の誘惑が終わってホッとしていると、先生がリードを取り出した。ルーシーの首にリードを付けて「ルーシー、行こう」と声をかけた。すると、ルーシーは「ハイ」と立ち上がってしまった。
 えええ〜?!
 子犬の頃からの習慣で、カラーとリードを着用したら、出された指示に従うものだと刷り込まれているんだろう。全く抵抗がないところを見ると、リードを持った人が自分をコントロールすると思っているのかも。
 う〜む、マテは深い!

を!
全然関係ないけど、今年のウィンブルドンは地元イギリスが注目しているらしい。イギリス人のアンディ・マレーが準決勝に進み、これに勝ったらウン十年ぶりにイギリス人が決勝進出らしいですわ。ちなみに、マレー家にはマギーという名前のボーダーコリーがいるらしいですよ。ま、テニスには関係ないけどね。