ルーシー、イノシシと遭遇す

 水遊びのロケハンに行こうと思っていたのに雨。そのうち止むだろうと、ルーシーにTシャツを着せて準備をしていたら、遠雷も聞こえてきた。気象情報を見ると、大雨・雷・洪水注意報発令中〜。こりゃイカンと、とりあえず昼寝する。その間、ルーシーは「おでかけは?おでかけしましょうよ」と何回も訴えてきたけど、こういう時に川に行くのは大変危険。
 午後、雨が止んできたので西宮方面へ車で出かける。川遊びの事は忘れて、植物園のある公園へ。ここはちょっとしたハイキング・コース。公園のフェンスの向こう側は車通りの絶えない道路だけど。中に入ると、木々の中を小道が続いている。ルーシーを運動させないといけないので、この日はダムへ向かう。
 雨の後で、小道には水が流れていたが、ぬかるみはない。地面が花崗岩だから水はけが良いのかな?意外と歩きやすい。雨のおかげで気温が下がり、歩いていても気持ちが良い。ふと見ると、木の枝に注意が出されていた。そして、公園の片隅にワナらしきものまで。

 さすが六甲山系。公園から道路を挟んだ向こう側は住宅地だから、ゴミを目当てに出没するのかな。いくらなんでも、夜にならなければ大丈夫だろうと歩く。



 ダムの上を吹く風も気持ちいい。広いスペースがあるけれど、近隣住民の水源なので、排泄は御法度である。ここは走らずに歩くだけ。ちょっとルーシーは不満そう?
 曇り空のせいか暗くなるのが早い。足元が暗くなっては歩き難いので、早々にダムを後にする。もう少しで駐車場というところで、とんだハプニング。
 (た)とルーシーは前を歩いていた。小道が緩やかなカーブになっていて、イノシシはカーブの向こう側にいたらしいが、木々に隠れて姿が見えなかったらしい。突然、目の前にイノシシが現れ、驚いたルーシーが吠えた。
アホか、オマエは!
 人間二人は一瞬凍り付いたが、いち早く解凍した(た)がルーシーを抱き上げる。ゆっくりと急いで(笑)横道から四阿へ退避。全員しばらく息を潜めて、イノシシが追ってこないかと警戒。
 しばらくして(あ)が斥候に出る。そろそろと木立からカーブを見る。周囲を見回すが、イノシシの姿は見えない。大きな音を立てないように、前に進む。イノシシがいないのを確認して全員急ぎ足で駐車場へ向かう。あ〜、怖かった!(た)曰く、かなり大きかったという。ルーシーのKYぶりに二人とも心臓が止まりそうになったよ。でも1時間ほど歩いて、お腹も減ってきた。

 町のイタリアン・レストランで夕食。キノコのサラダ、牛の煮込み、鶏の悪魔風、ピザにパスタを頼む。ここは本当にハズレがないね〜。たらふく食べて家に戻る。
 帰り道の途中で公園の横を抜ける。駐車場の明かり以外は、黒々とした森が広がっていて、側に車通りの多い道があろうとも、やはりここは山なのだと思った。