ジレンマ

 久しぶりの教室。例のごとくマテと遠隔とダンスの3本立て。しかし、この約2週間というもの、仕事で全く復習してなかったし、ルーシーにかける時間も短縮。そのツケは見事にルーシーの反応に表れていたし、先生の指摘で分かったけれど、(あ)自身にも表れていたようだ。
 相変わらず誘惑に弱いルーシー。マットで待たせている間に先生が誘惑すると、先生から逃げ出す。ルーシーの様子が見にくかったのもあるけれど、ルーシーが逃げだそうという素振りを見せた途端に(あ)は注意しなきゃいけない。注意が遅い。

 ただねぇ〜、個人的には、ど〜も、この訓練自体にジレンマを感じる。自分自身が頑張ろうって気になれないんだな。
 そりゃ「マテ」の指示に従うことは非常に大切。拾い食いの誘惑に負けないことだって大切。だけど、(あ)がその場にいる時には、ルーシーだって注意されたら、落ちている食べ物に近づかないように努力する。
 実際の生活では、ルーシーが拾い食いをしそうなら、(あ)が食べ物を拾ってしまう。つまり、リスクを先につみ取ってしまう。犬のことだから100%はあり得ない。ルーシーを信用し過ぎないこと。(あ)が日常生活でルーシーと付き合う上で、これは大前提だ。それに、リスクをつみ取った方が簡単だし確実だ。この方法で、日常の拾い食いをする可能性を90%減らす。
後の10%は、ルーシーの方が(あ)よりも早く落ちている食べ物に気が付いた場合。注意されたら落ちている食べ物から逃げる。これで5〜8%の可能性が減ると思う。
 しめて95〜98%減らせるじゃん。2〜5%残ると言われたらそれまでだけど、犬に絶対はない。だから「誘惑に耐えて伏せ続けられないけど、誘惑の素から逃げて何が悪い?」と内心思う。ルーシーは誘惑に乗ってはいけないことは分かっている。自分で本能的な欲求をコントロールしているのではないか。逃げることでコントロールできるのであれば、それで充分なのではないか?
 そう考えると、マットから離れてしまうルーシーを、どうも叱る気にならないのだ。先生は「首根っこを捕まえてでもマットに連れてこないとダメ」「自分が嫌なことから逃げる癖が付いてしまう」と言うけれど。
 元来、人一倍食い意地が張っていて、その上、大好きな先生が優しい声で誘うんだから、コイツにとってはクラクラするくらいの誘惑なんだろうなぁ。先生から体は逃げてはいるけれど、そんなクラクラ誘惑と戦って「勝っている」と思ってしまうのは、飼い主としてダメダメなんだろうか?
 先生曰く「甘い」「隙がある」らしい。「青空(A先生のパートナー)なんかは、マテで口をこじ開けて食べ物をムリヤリ入れても、ペッと吐き出すように訓練してます」そりゃ〜、セラピードッグだからじゃないですか。ルーシーは、フツーの家庭犬になれたら、御の字なんですけど。「これができるようになったら、一つ上のレベルに行けますよ」だから、上のレベルなんか、ハナから求めてません。リスクをつみ取ることなく、拾い食いが100%回避できるなら、この練習も意味があるかもしれないけど、実際の生活ではリスクをつみ取らないワケにはいかないですし。「Iさんは甘いです!優しすぎます!」
 そう言われたら、それまでだけど。でも、叱ってでも、やらせなきゃいけない練習なのかな?そこは、疑問として残るなぁ。
 ま、グチはそこまでにしておいて(笑)。
 遠隔は、カム中の動作。どうもルーシーは、ツルツルの床でフセるのが苦手みたい。前に進みながら伏せてしまう。「エ?」と言うと、なぜかクリープをしたり(笑)。違うっちゅーの!

 ダンスでは、クロスの反対を教える。いつも動かす側の前足を押さえられて困ったルーシー。鼻をスピスピ言わせる(爆)。クロスを覚えるのに半年以上かかったもんなぁ。反対にもやっぱり半年かかるかなぁ(タメイキ)。前途多難な様子↓。

 なんだか割り切れない気持ちで授業終了。飼い主がこれじゃ犬は迷うわな。困ったもんだ。