平和な冬の夕暮れ

 先月になるが、平日の夕方、ルーシーとF公園でディスク遊びをしていたら、視界の隅にいつもと違う物が。なんだか置物みたい(笑)。

 今年の冬は雨も雪も少なくて、公園のビオトープに食事に来たようだ。ビオトープにはメダカなんかもいるから。ただし、そういう時に限って、公園には小学生が多い。珍しさもあって鳥を追いかけ回す。鳥は、あちこち逃げるものの、餌不足なのか公園を離れようとしない。鳥は何もワルサをしないんだから、そっとしておいてやったら良いのに。
 子供達は、さんざん追いかけて「捕獲はムリ」とあきらめたらしい。騒々しくその場を去っていった。冷たい風が吹き始めた。公園では、ルーシーだけが、ガウガウ言いながらディスクを追いかけていた。鳥は不思議そうにこちらを見るだけ。
 ルーシーは、全く鳥に気が付いてなかった。こういう時、ヤツが近視眼的で良かったと思う。

 夕闇が迫る頃、鳥さんもネグラに帰る。バサバサと大きな羽音がして、初めてルーシーが空を見上げた。

 「鳥さんも帰るから、ルーシーも帰ろ」と言うと、首を傾げた。大きな白いお月様が出ていた。