何様のつもり?

 遡って土曜日。2週間ぶりの教室。この間「我らの仕上がり具合は、お友達よりも随分遅れているから、これから少し巻き返さないとイカンなぁ。」と思ったのだが、ずっと天気が悪く、屋外での練習はほとんどムリ。木曜日はレインコートを着用させヒールだけ。金曜日はようやく雨が上がったので、夕方に音楽をかけて練習。音楽がかかると、ルーシーの動きが変になる。焦ってやたらと速く動いたり、コマンドへの反応が鈍くなったりと、変化は一様ではない。ここからが正念場だな。今回は、最後まで笑顔を忘れないようにしたい。あくまで希望的観測だけど。
 前にも書いたけれど、今の教室はホームセンターの一番奥。お客さんの目に触れない個室だ。ドアを閉めていれば、中で吠えても外に漏れることはない。ただ、ダンスを踊るにはスペースが狭いので、ドアを開けてベンチを外に出す。音楽が外に漏れると、わざわざ覗きに来られる方がいるので、かなり恥ずかしい。前の教室は売り場と地続きだったから、通りがかりに見られることは日常茶飯事だった。個室になった途端、見られることが恥ずかしくなるから、我ながら不思議だけど。
 (あ)と反対に、ルーシーは「誰か来ないかなぁ」と人待ち顔だ。そして、誰もいないとなると鼻からタメイキをつく。やる気が出ない。大好きな先生の前で踊る最中、先生の顔をチラリと見る。先生も「見てるよ〜」とか「ヨシ!」とか声をかけないといけない。
これって、やっぱりアテンションがとれてないことになるよね(爆)?
 授業中の先生は、音楽係も務めていただいているので忙しい。ルーシーばかりを見ていられない。ルーシーのチラ見が続くと、リモコンを操作しながら「ハイハイ、見てる、見てる」と適当に返事をされる。返事をして下さるだけ感謝しないといけないのだ。ところが、ルーシーは、また「フ〜ッ!」とタメイキ。で、動きにキレがなくなる。なんやねん(爆)!
 これでは練習にならない。それに(あ)自身も他人に見られることが怖くなってきていた。
 偶然、外に小さなビーグルを抱いた女性がおられたので、勇気を出して声をかけた。事情を話して「もし良かったら見てやって下さい。」どうやら、生後5ヶ月のビーグルちゃんに、シツケ教室に通わせようかと考え、様子を覗きに来られたらしい。家では走り回っているそうだけど、腕の中のビーグルちゃんは、とてもおとなしくて可愛い顔をしていた。
 自分を見て下さるお客さんがいると知ったルーシーは、俄然やる気になった。「アウッ!」と気合いの声を出し、満面の笑みを浮かべて尻尾をピンと挙げて動く。
・・・まったく何様のつもりやねん(苦笑)。
 そのうち、シュナウザーや柴を連れた飼い主さん達が来て下さった。一踊りした後に、ルーシーは飼い主さんに愛想良く挨拶して回る。皆さんに優しく声をかけてもらい、体を撫でてもらって、ルーシーは鼻の穴全開の得意満面。見て下さる方達の間を、芸能人きどりで、お尻をフリフリさせて歩いていた。
 昔、ダンスの先輩に「競技会に何回も出ていたら『私を見て!私だけを見て!』ってなってくるものよ」と言われたのを思い出した。ウチに限っては、ルーシーだけが『私を見て!』と思っているようだ(爆)。