幸せな笑顔

 朝早く起きても、夜中の間に気温はあまり下がらない。日の出が遅くなっても、朝の散歩ですでに30℃近い。帰る頃には、5歳のルーシーもヘロヘロになる。
 それでも「行きたくない」とゴネたことがないのは、散歩で大好きな人達やお友達のワンちゃんに会えるからだろう。ルーシーだけかと思ったら、最近、高齢の域に入りかけたお友達も同じだとか。
 家の中では冷房や扇風機から離れられなくても、散歩となれば尻尾は↑↑。飼い主さんは「年をとると、言うことはきかないし、ガンコになって困る」と仰るが、ご自分のワンちゃんを見つめる表情は柔らかだ。
 人間にとっても厳しい夏。ましてや、毛皮を着たワンコには、さらに高齢となれば、とりあえず元気でいてくれるだけで「良いか」と思える。
 散歩中に会う子は、みんな良い笑顔で挨拶してくれる。そういえば(あ)が出会うワンちゃんって、みんな笑顔で、いつも嬉しそうだ。実際、幸せな子ばかりなんだろうな。


 そう、出会えて顔を見られる子は、みんな幸せなんだ。ネグレクトされている子は外へ出ない。それは人間も犬も同じ。この夏、人間の子供の児童虐待やネグレクトに関する悲しいニュースがあった。彼らにとって一番不幸なことは、自分がそこにいることを、誰にも知ってもらえないことじゃないだろうか。
 人間の子供もワンコも、みんな外に出て笑顔でいられたら最高なんだけど。