半日ドック

 ルーシーに半日ドックを受けさせた。ここで言う「半日ドック」とは、シニア犬の内臓の健康状態を確認することを主眼に置いた検査である。
 地域や犬の年齢、病院によって検査内容は多少違うだろうけれど、ルーシーが今回受けた検査は
 1)尿検査
 2)血液検査
 3)レントゲン検査(心肺を含む胸部+オプションで両前足の肩関節から指先まで)
 4)エコー検査(内臓)。
 7才のルーシーとしては、シニア犬を対象とした検査は若干早いとは思ったし、特に、病気や異変を感じることもなかったし。それでも、半日ドックを受けさせたいと思ったのは、ベッカー先生の著書に「個々の犬が健康な状態にある間に、その犬のベンチマークを採っておく意味はある」とあったからだ。
 もちろん血液検査をすれば、一般的な正常値域が分かり、それに照らして自分の犬に異常がある(または、異常がない)ことが明らかになる。しかし、例えばルーシーの場合、元々タンパク質の吸収効率が悪い。本犬はいたって健康でも、血液検査では総蛋白の値が正常値よりも低い。
 個々の犬は、その体質によって、必ずしも一般的な正常値域が適用できるとは限らない。仮に異常が疑われ、血液検査をした結果、ルーシーのように総蛋白の値が低いことが異常に関係しているのか、それとも単にその犬の体質によるものなのかというところから考えなければならない。ベンチマーク、つまり個々の犬の基準値を採っておけば、そのプロセスを省略して次の段階に進める
 また、ルーシーがアレルギーであることも理由のひとつだ。
 現在、ルーシーは低アレルゲンの療法食を食べている。今後、他の病気になった場合、その病気に有効な療法食があったとしても、ルーシーがそれを食べられるかどうかは分からない。例えば、ガンや腎臓、肝臓の疾患に有効な療法食はあるけれど、アレルギーまでケアするものではない。加齢とともに発生する可能性が高い病気は、できるだけ早期に発見して対処したい。症状が現れてから慌てて対処法を考えるのは、できるだけ避けたい。アレルギーと同じ失敗を繰り返すことになると思ったからだ。
 オプションで両前足のレントゲンをお願いしたのは、骨棘の状態も確認したかったからだ。骨棘が発生していることを知ってから、ルーシーの運動方法を大幅に変えた。新しい運動方法が適正かどうかも確かめたかった。(あ)は、てっきり麻酔下で内臓のレントゲンを採ると思っていたので、ちょうど良い機会だと思っていた←実際は、無麻酔だったらしい(笑)。

 結果は、
 1)尿検査: 比重は若干正常値域より低いが異常というほどではない

 2)血液検査: 検査機関からの回答待ち
 3)レントゲン検査: 心肺に異常なし。肩関節の骨棘に変化は見られないが、指先の骨の剥離が少し進んでいた。
 4)エコー検査: 膀胱・腎臓(左右)・胃腸管・肝臓・胆嚢に異常なし。ただし、脾臓に2cmの円形腫瘤を確認


 当初は、シニア世代に突入する犬の健康管理に対して、ぼんやりした不安を感じていたところから始まった。半日ドックを予約した段階でも「25,000円の出費はイタイけれど、まぁ、健康が確認できれば安心料だと思えば良いさ。ベンチマークはいずれ役に立つ日が来るし。」と思っていた。

 それが、思わぬ異常が発見されることになった。
 来週、ルーシーは脾臓の摘出手術を受ける。詳しいことは、また後日。