実験

面白そうな本を少しずつ読み始めている。著者は認識科学を専門としていて、犬の知能とゲームに関して書いている。
ゲームを通じて知能を計るというと、点数がつけられて「ルーシー、0点、失格〜!」と宣告される場面が頭をよぎる。しかし、実際はそうではない。
 この本では、認識に関する5つの面に着目している。正解・不正解を数えるというよりも、犬の認識スタイルを見極める。自分の犬がいろんな問題に直面した時に、どんな取り組み方をするかを見極めようというものだ。
 5つの面とは
 1共感(仲間の気持ちを理解し対応する)
 2コミュニケーション(仲間からの情報を利用して周囲について学ぶ)
 3ずる賢さ(仲間からの情報を利用して、見つからないように画策する)
 4記憶(過去に経験したことを蓄積して、将来の選択に活かす)
 5推測(新しい問題に対して解決法を推測する)」である。
で、ひとつひとつについて、個々の犬の傾向を見る。
 例えば、コミュニケーション。「自立⇔協調的」という指標で、個々の犬の姿勢や考え方の傾向を見るのだけれど、いくつかゲームをして観察した結果を基にしている。
 ゲームのひとつ”Arm Pointing(手の指示)”について、内容が動画で紹介されている↓。

 説明が英語なので、ちょっと補足。
 用意するのは、ヘルパー1人とトリーツ少々。ヘルパーに自分の犬を保定してもらい、飼い主は180cm離れて向かい合わせに立つ。飼い主は、トリーツを両手に持ち、犬の名前を呼んだ後、両腕を伸ばした状態で同時にトリーツを床の上2箇所に置く←意外に同時に置くのは難しいっす(^^ゞ。
飼い主は犬に正対して立ち、腕を伸ばして一方のトリーツを指す。解除(OKとか)の声をかけ、犬を解除してトリーツを食べさせる。ちなみにトリーツは両方とも食べさせてOKである。

 この時、犬が最初に食べたトリーツが
飼い主が指した方:飼い主からの情報を利用している→協調的
飼い主が指していない方:飼い主の情報に頼らない→自立
 ということらしい。ちなみに、どちらも正解であり、不正解はない。

 ルーシーにやってみたところ、驚くべき結果が出た。ちなみに、おやつを置く度に「あら、よっこいしょ」と声が出た。そんな報告は要らんか(爆)
 はじめは、OKと解除した瞬間に(あ)が指した方に一直線に進んでいた。ところが、2つとも食べられると理解した途端、指していない方のトリーツにも行きだしたのである。つまり「協調的は見せかけで、実は自立ときどき自分勝手」ということかな(笑)?

 なお、このゲームの2段階目は”Foot Pointing(足での指示)”。腕の代わりに足を伸ばして指示を出す。おそらく、足で犬に指示を出したことのある飼い主さんは多くはないだろう。犬にとっては新しい経験だ。これは犬の頭の柔軟性をテストする。できれば頭が柔らかい、応用が効くてことだろうし、できなかったとしても、経験を積めば解決策を見つけられるということ。
 ルーシーの場合は、またもや、実験者の想定を上回る結果だった。
「どうせ2個とも、もらえるんだから、手だろうが足だろうが、ハナから指示は見ない」である。

 ルーシーらしいっちゃーそうなんだけどさ(呆)。

 気をとり直して、オタクのワンちゃんでお試しください