締め直し
旅行を含めて1週間以上、ルーシーの世話は(た)に任せていた。案の定、この間にルーシーはワガママお犬様に逆戻り。催促吠えまでするようになったので、1週間をかけて緩んだタガを締め直した。
今回の締め直しは、いつもと違うパターンで進めてみた。
「説諭」である。
レインコートを脱がせようとしたら、ルーシーは唸って威嚇した。叱られたルーシーは、一瞬、反省した素振りを見せた。しかし、これは、こちらの機嫌が直るまで、嵐をやり過ごす方便に過ぎない。飼い主と犬の間で起きた小さいことに思えるけれど、ルーシーの場合は、飼い主がこれを見逃すと、自宅外でも抑制が効かなくなる。
ルーシーから少し距離を置いて座り「アンタ、反省しとらんだろ?」と静かに話す。
ルーシーは、スーッと視線を外す。ヤバイ雰囲気を感じ取って気配を消そうとする←無駄だっつ−の(笑)。
「お母さんに『嫌い』って言ったん?ね?そう言ったん?」
ルーシーは、少々体を固く小さくした。
「良いよ、嫌いでも」あくまで、こちらは明るいトーンで話す。
ルーシーは不思議そうに、こちらを見た。
「でもね、嫌いって言った人から、ご飯をもらうのは、おかしくない?」 ルーシーは、首をかしげた。
「だって、お母さんが嫌いなんでしょ?お母さんは、嫌いって言う人に、ご飯はあげないよ〜。当たり前じゃん」アハハと笑ってみせた。
「だからルーシーは、ご飯ナシだよ」一転、冷淡なトーンで宣告。
宣告を受けたルーシーは、目を白黒させた。明らかにヲタついていた。
おまけに「コレはヒジョ〜にヤバイ」と思ったらしい。もちろん催促吠えもしない。なぜだかベタベタと甘えてくる。おまけに、自分から「レトリーブで遊んでくれ」と誘ってきたのである(爆)。
成犬でないと使えない手だけどね。また、若い頃なら、叱られても懲りずに下克上をしかけてきたし、一瞬反省のポーズをして欲しいものを手に入れたら、また、ワガママお犬様に戻っていたけれどね。
8才ともなれば、飼い主の『本気』は理解できるらしい。
っつーか、8歳になってまで、やるこっちゃないよねぇ(恥)。