防災訓練で

 ルーシー地区で自主防災訓練があった。我が家は防災担当ではないけれど、今年、自治会の役員なので、このイベントにはヘルパーとして借り出された。
 事前に2回もミーティングがあり、それも毎回、自治会長から直々に自宅に電話があって「ミーティングには絶対に出席してくださいよ」と念押しされた。当日は、朝8時半集合で夕方は4時近くまで。係のリーダーに「サボったり、途中で(家に)帰ったら、他の人達に後で何を言われるか分からないですよ」等と脅された。『自主』って言葉が合わないほど強制的なイベント。仕事で途中抜けたけど、もちろん自分の分担はキッチリやったもん =3
 当日を迎える前からイベントに対するイメージは最悪だったけど、学ぶことはあった。
 例えば避難のこと。
 仮に、大災害で自宅が危険になって避難するとしましょ。
 通常、自宅にいれば、最寄りの指定避難場所に行こうとしますわな→ルーシー家の場合は、最寄りの小学校or中学校(隣同士)。H県の場合は、大抵、公園や学校の前に看板が立ってます。
 でも、我先に学校へ行っても、体育館に直ぐには入れません。
 学校の体育館は、行政の管轄当局とその学校の先生しか鍵を持っていません。
 で、行政の防災担当者が現地に来て、体育館を実地検分して安全確認をしないと避難所として認定されません。つまり目の前に来ていても、中には入れません。
 また、学校の先生がいるのであれば、そっちに鍵を開けてもらえば良さそうに思えますわなぁ。しかし、そうは上手くいきません。先生達には、生徒の安全確保と心のケアが優先課題だからです。
 では、体育館が避難所として認定されるまで、どうするか?
 公園等の危険がない場所(指定の待機場所)で待機するしかありません←ルーシー地区では、地理的な条件から地震のみを想定しているようなので、指定の待機場所は公園です。
 じゃあ、ペットは?
 人間の収容が完了するまで、到底ペットのことまで考えてもらえないでしょうねぇ。
 つまり、よしんばペットを避難所に入れてもらえることになったとしても、災害発生当日はとても入れそうもありません。
 今回の訓練では避難生活のデモも含んでました。家族が滞在できるように、体育館の内部をレイアウトに従って設営しました。
 驚きました。一応、フロアには居住用にビニールシートを敷いて、各世帯を分けるように手作りのパーティションを設置しました。居住スペースは数歩も歩けば、お隣という狭さ。果たして布団が敷けるんだろうか?パーティションといえば聞こえは良いけど、材料は寄せ集めのダンボール箱。高さは地面からから1メートルもありません。目隠しの役目は全く果たせていませんでした。プライバシーが全くない状態と考えた方が良いでしょう。
 これを見て、どうしようもない状況を除いては、避難所にルーシーを入れたいとは思えませんでした。被災者に動物アレルギー等の問題がなかったとしても、不安やストレスで精神的な余裕がない人達の中に、ペットを――たとえクレートやバリケンに入れた状態であっても――入れることで、無用なトラブルを招きたくないからです。
 阪神の震災では、飼い主さんの多くが、ペットと一緒に車で避難生活を送られました。当時は避難所に動物を入れることは禁止されていましたから、選択肢はありませんでした。東北の震災では、ペットも入れる避難所も設営されたそうですが、実際に利用した人は、ほんの一握りだったとか。長期化すればするほど、その傾向が強くなる。理由がわかった気がしました。
 ―――できる限り、自分達で、どうにかしなきゃダメなんだ。
 そのための用意を具体的に考えないと。

↑(あ)が組み立てた人間用トイレ。座ったら潰れそうで使えないかも(笑)。