ありがとう、ルイルイ

 最後のルイルイパーティー。調べてみると、ルーシー家が参加させていただいたのは、ルーシーが生後7ヶ月の頃。以来、数回を除いて毎年参加させていただいた。

 最初に参加させていただいた時の衝撃は、今でも記憶に残っている。「これこそボーダーコリーだ!」という賢いワンちゃん達。自分の犬と比べて、あまりの『格差』に「コイツ、白黒のタヌキじゃなかろうか?」と思ったものだ。
 
 ルイルイパーティーは、当初ルイ君の血族を対象としたオフ会ではあったけれど、お友達に誘ってもらって参加させてもらうようになった。走り回ることしか頭にないルーシーだけでなく、我々のような「へっぽこ飼い主」にとっても、ルイルイは大変ありがたい存在だった。
 ルーシーみたいな犬を迎えると、社会の中で「らしくあり続けること」の難しさを痛感する。逆風は犬を知らない人達、飼ったことのない人達だけから吹く訳ではない。むしろ、犬を飼っている人達の方から吹く逆風の方が心に刺さる。そして(あ)は、体を縮めて風が過ぎ去るのを待つしか術がなかったが、そうしているうちに、どんどん視野が狭くなる。自分の足元しか見えなくなる。そんな時に、ルイルイで先輩達から頂いた励ましの言葉やアドバイスは非常にありがたかった。「もう少しだけ頑張ってみよう」と思えた。

 初めて人前でディスクを投げたのもルイルイだった。ルーシーは、他のワンちゃんがプレイ中にフィールドに乱入したり、スタートラインの小麦粉を食べて持ち時間が終了したり。まぁ、散々なデビューだった。
 下手くそなダンスを披露したこともあったなぁ。
 当時、ボーダーコリーのスポーツといえば、ディスク、アジ、オビが主流だった。敢えてダンスを選ぶ飼い主さんはいなかった。
 我らは精一杯のダンスをしたものの、周囲の飼い主さん達の反応は薄かった。彼らにとって、ドッグスポーツは、ボーダーコリーの有り余るエネルギーを消化させる術であって、走ることもなく、大技もない我らのダンスは、大層つまらないものに見えただろうと思う。多くの飼い主さん達は「ダンスなんか、アジやディスクを引退した後でもやれること。その時にやる気があれば、やるかも。でも少なくとも今じゃないな」という表情を浮かべていた。その認識も少しずつ変わってきて「犬をしつけながら長く楽しめるスポーツ」とダンスを選ぶ人も少しずつだけど増えてきている。競技会で「ルイルイで踊ってらっしゃいましたよね?」と声をかけられて、ギョッとしたこともあったっけ。我らの拙い踊りをご覧になって「自分たちにもできる」と思っていただけたのなら、恥をかいたかいがあったというものだ。

 8年の間に、参加者&参加ワンの顔ぶれは大きく変わり、今やルーシーは、あの頃の先輩ワンの年齢に達している。ルーシーの中身は相変わらずだし、(あ)は先輩飼い主さん達のような知識やアドバイスも持ちあわせていない。それでも、この8年間で(あ)はルーシーとの付き合い方を会得することができた。
 ひとえにルイ家の皆さん、先輩飼い主の皆さん、いつも受付係をしてくれた蘭・翔家の皆さん、声が涸れるまで頑張ってくれたMCのクロスの父さん、ワン友の皆さんのおかげである。
 本当にありがとうございました!そして、ありがとう、ルイルイ!!

↑「さぁ、おうちに帰ろう」って頃にダンゴになって遊び始める。これもボーダーらしい一面(´∀`*)