オリンピックおまけ

 女子フィギュア。日本選手にとっては、なかなか大変なスタートみたい。いずれにしろゴールは目の前。後悔がないように最後まで駆け抜けて欲しい。
 昨日は浅田選手のフリーの曲について書いた。鈴木選手の曲は、アナウンサー曰く「誰もが知っている」らしいので、村上選手の曲を紹介したい。
 タイトルは “Papa, can you hear me?”
 80年代映画“Yentl”の曲だ。バーブラ・ストライザンドが長年かけてプロデュース。監督・主演を務めている。
 邦題が「愛のイェントル」と、主人公の恋愛に焦点を当てたものになっているけれど、実際のテーマはそうではない。女性と教育の機会である。
 ポーランドユダヤ社会に生まれた主人公は、当時女性には許されなかった教育を受けたいがために、男に化けて学校に入る。そこで「すったもんだ」があり、最終的は教育を求めてアメリカに旅立つ。まぁ、その「すったもんだ」が恋愛っちゅーことなんだけどね(笑)。
 主人公が父親を思い歌う。父親がずっと先生役を引き受け、こっそりと娘にマンツーマンで教えてきた。しかし、主人公はそれでは満足できず「もっと学びたい」と、父親の制止を振り切って学校へ向かう。ろうそくを灯し(←ユダヤ教では、これって何か意味があるんだろうね)、父親に「どうか理解して」と訴える歌だ。

 日本では「リケジョ」の活躍が目覚ましい。その一方で、他の国では、女性が教育を受けることが贅沢だと考えられていたり、宗教上の理由で禁止されたりしている。自分も子供なのに「すべての子供に教育を」と生命をかけて訴えなければならない地域もある。
 映画は昔のユダヤ社会を描いたものだけど、映画公開から30年経った今でも、世界には、女性が教育を受けられない現実は依然として残っている。オリンピックでそういうテーマを取り上げるのは、素晴らしい試みだと思う。